高度肥満の子宮体癌患者に対して腹腔鏡下手術を施行した一例

「緒言」高度肥満患者に対する手術では, 体表から骨盤内までの距離が遠く, 視野確保が困難であるため, 骨盤深部での手術操作を要する悪性腫瘍手術において縮小手術を余儀なくされることがある. 皮膚切開を延長すると, 創傷治癒遅延や腸閉塞, 肺塞栓などの術後合併症が増加し, 後療法の開始が遅れる可能性があるが, 腹腔鏡下手術では良好な視野によるリンパ節摘出数の増加, 手術侵襲および術後疼痛の軽減, 入院期間の短縮など様々なメリットが報告されている. 肥満患者にも恩恵の多い腹腔鏡下手術であるが, どの程度までの肥満に腹腔鏡下手術を行うかは施設間で判断が分かれている. 日本においても肥満患者は増加傾向に...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2016, Vol.31(2), pp.444-449
Hauptverfasser: 若林, 玲南, 高木, 偉博, 永井, 康一, 太田, 幸秀, 下向, 麻由, 向田, 一憲, 鈴木, 理絵, 奥田, 美加, 窪田, 與志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」高度肥満患者に対する手術では, 体表から骨盤内までの距離が遠く, 視野確保が困難であるため, 骨盤深部での手術操作を要する悪性腫瘍手術において縮小手術を余儀なくされることがある. 皮膚切開を延長すると, 創傷治癒遅延や腸閉塞, 肺塞栓などの術後合併症が増加し, 後療法の開始が遅れる可能性があるが, 腹腔鏡下手術では良好な視野によるリンパ節摘出数の増加, 手術侵襲および術後疼痛の軽減, 入院期間の短縮など様々なメリットが報告されている. 肥満患者にも恩恵の多い腹腔鏡下手術であるが, どの程度までの肥満に腹腔鏡下手術を行うかは施設間で判断が分かれている. 日本においても肥満患者は増加傾向にあり, 開腹手術と腹腔鏡下手術の選択は術者の技量に左右されることから, 個々の症例に合わせた手術の工夫が必要となる. 今回, 開腹手術での治療が困難と考えられた子宮体癌患者に対して, 安全に腹腔鏡下手術を終えることができた高度肥満症例を経験したので報告する.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.31.444