虫垂炎術後に発症し治療に苦渋した子宮内膜症性嚢胞の膿瘍化の1例

「緒言」卵管卵巣膿瘍 (tubo-ovarian abscess : TOA) は, 高度の骨盤内炎症性疾患であり, 腟, 子宮からの上行感染によるものが多い. また抗菌薬に抵抗性のものも多く, 結果として外科的治療が必要となることがある. 外科的治療には穿刺排膿術や付属器摘出などの病巣除去術があるが, 若い女性に対する病巣除去は妊孕性を損なう危険もあり安易に選択できない. また, 患者背景としてIUDや子宮内操作の既往以外に卵巣子宮内膜症性嚢胞との関連も指摘されている. 今回, 我々は, 急性虫垂炎術後より骨盤腹膜炎の改善なく当院紹介となり, その治療に苦渋した両側卵巣子宮内膜症性嚢胞に合併...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2015, Vol.30(2), pp.455-458
Hauptverfasser: 荒木, 美智子, 三村, 貴志, 石川, 哲也, 遠武, 孝祐, 竹中, 慎, 清水, 華子, 飯塚, 千祥, 宮本, 真豪, 森岡, 幹, 関沢, 明彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」卵管卵巣膿瘍 (tubo-ovarian abscess : TOA) は, 高度の骨盤内炎症性疾患であり, 腟, 子宮からの上行感染によるものが多い. また抗菌薬に抵抗性のものも多く, 結果として外科的治療が必要となることがある. 外科的治療には穿刺排膿術や付属器摘出などの病巣除去術があるが, 若い女性に対する病巣除去は妊孕性を損なう危険もあり安易に選択できない. また, 患者背景としてIUDや子宮内操作の既往以外に卵巣子宮内膜症性嚢胞との関連も指摘されている. 今回, 我々は, 急性虫垂炎術後より骨盤腹膜炎の改善なく当院紹介となり, その治療に苦渋した両側卵巣子宮内膜症性嚢胞に合併した卵巣卵管膿瘍の症例を経験したので報告する. 「症例」30歳0経妊0経産婦. 既往歴, 家族歴に特記すべきものはない. 月経歴は順で, 28日周期, 月経困難症を認めた. 現病歴は, 月経2日目に発熱, 下腹部痛を認め, 前医を受診し, 急性虫垂炎の診断で緊急手術を施行された.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.30.455