妊娠中の腹腔鏡下手術の胎児への影響

「諸言」全妊娠における卵巣嚢胞の合併頻度は1-4%であり, 妊婦健診時の超音波検査の普及によって子宮付属器腫瘍が発見される頻度は少なくない. その約半数が機能性嚢胞であるが, 機能性嚢胞以外では成熟嚢胞性奇形腫, 漿液性嚢胞腺腫, 粘液性嚢胞腺腫, 子宮内膜症性嚢胞, 悪性腫瘍の順に多い. 妊娠中の卵巣嚢腫に関して経過観察をした報告によれば174症例中約14%で卵巣嚢腫茎捻転を発症している. 茎捻転発症のリスクも考慮して手術適応を判断する必要がある. 日本産科婦人科診療ガイドライン産科編2011では嚢腫の直径が6cm以下の場合は経過観察で, 10cm以上の場合は手術を考慮し, 6~10cmの場...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2015, Vol.30(2), pp.391-395
Hauptverfasser: 笠井, 真理, 康, 文豪, 英, 久仁子, 中村, 哲生
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「諸言」全妊娠における卵巣嚢胞の合併頻度は1-4%であり, 妊婦健診時の超音波検査の普及によって子宮付属器腫瘍が発見される頻度は少なくない. その約半数が機能性嚢胞であるが, 機能性嚢胞以外では成熟嚢胞性奇形腫, 漿液性嚢胞腺腫, 粘液性嚢胞腺腫, 子宮内膜症性嚢胞, 悪性腫瘍の順に多い. 妊娠中の卵巣嚢腫に関して経過観察をした報告によれば174症例中約14%で卵巣嚢腫茎捻転を発症している. 茎捻転発症のリスクも考慮して手術適応を判断する必要がある. 日本産科婦人科診療ガイドライン産科編2011では嚢腫の直径が6cm以下の場合は経過観察で, 10cm以上の場合は手術を考慮し, 6~10cmの場合は単房性嚢胞であれば経過観察でそれ以外は手術を考慮する, 手術時期は12週以降が望まれるとしている. 妊娠中の子宮付属器腫瘍に対する手術術式については, 産婦人科診療ガイドライン産科編2011では手術術式については言及されていないが, 産婦人科内視鏡ガイドラインではトロッカー穿刺の注意などはあるものの妊娠経過に影響を及ぼしたという報告は認められていないとしている.
ISSN:1884-9938
1884-5746
DOI:10.5180/jsgoe.30.391