腹腔鏡下子宮筋腫核出術における筋層縫合方法の検討 -Smead-Jones縫合の有用性

【諸言】 晩婚化や出産年齢の高齢化に伴い, 妊孕能温存を希望する子宮筋腫症例も増加している1). GnRHa療法や子宮動脈塞栓術, 集束超音波治療など子宮温存可能な治療選択肢は増えているが2), 妊孕能温存療法として確立したものは子宮筋腫核出術のみである. 近年では筋腫核出術を腹腔鏡下に行うことも広く行われているが, 腹腔鏡下手術では運針方向や創部展開に一定の制限が生じるため, 開腹手術と同様の縫合方法での子宮筋層修復には, 技術的また時間的な負担を感じることも少なくない3). 子宮筋腫核出術は比較的出血量が多く, 安全に手術を完遂するためには出血を減らす努力が不可欠である(表1)が4), 出...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2013-11, Vol.29 (1), p.228-234
Hauptverfasser: 市川義一, 山田卓博, 磯部まり子, 池ノ上学, 宮内安澄, 藤岡泉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【諸言】 晩婚化や出産年齢の高齢化に伴い, 妊孕能温存を希望する子宮筋腫症例も増加している1). GnRHa療法や子宮動脈塞栓術, 集束超音波治療など子宮温存可能な治療選択肢は増えているが2), 妊孕能温存療法として確立したものは子宮筋腫核出術のみである. 近年では筋腫核出術を腹腔鏡下に行うことも広く行われているが, 腹腔鏡下手術では運針方向や創部展開に一定の制限が生じるため, 開腹手術と同様の縫合方法での子宮筋層修復には, 技術的また時間的な負担を感じることも少なくない3). 子宮筋腫核出術は比較的出血量が多く, 安全に手術を完遂するためには出血を減らす努力が不可欠である(表1)が4), 出血量軽減のためにもっとも重要なことは速やかに核出創を閉じることである. 特に制限の多い腹腔鏡下手術においては, 運針・縫合を十分に習熟するだけでなく, あらかじめ運針しやすい方向に切開創をおいた上で, 運針が容易で, 運針数・結紮回数が少なく, 止血力に優れた縫合方法を選択する必要がある.
ISSN:1884-9938
DOI:10.5180/jsgoe.29.228