診断に難渋した妊娠初期の急性腹症に対して腹腔鏡が有用であった1症例
「緒言」妊娠中の急性腹症は放射線被曝に関連した画像診断に対する制約, 侵襲的介入に対しての医療者側の躊躇や, 患者の同意を得る困難さのため, 診断治療に難渋することが多い. 今回, 妊娠初期の急性腹症に対する診断, 治療において腹腔鏡が有用であった1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」症例は30歳, 1経妊1経産(妊娠31週早産帝王切開分娩), 既往歴に特記すべきことはなし. 月経周期は28日型で, 最終月経より32日経過していたが月経は認めず, 2日前より胃部不快感を自覚した. 翌日には強い下腹部痛を訴え近医を受診した. 腹膜刺激症状を認め, 骨盤内腹膜炎の疑いにて当科紹...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2012-08, Vol.28 (1), p.389-393 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」妊娠中の急性腹症は放射線被曝に関連した画像診断に対する制約, 侵襲的介入に対しての医療者側の躊躇や, 患者の同意を得る困難さのため, 診断治療に難渋することが多い. 今回, 妊娠初期の急性腹症に対する診断, 治療において腹腔鏡が有用であった1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 「症例」症例は30歳, 1経妊1経産(妊娠31週早産帝王切開分娩), 既往歴に特記すべきことはなし. 月経周期は28日型で, 最終月経より32日経過していたが月経は認めず, 2日前より胃部不快感を自覚した. 翌日には強い下腹部痛を訴え近医を受診した. 腹膜刺激症状を認め, 骨盤内腹膜炎の疑いにて当科紹介受診となった. 血圧102/67mmHg, 脈拍102bpm, 体温37.5度. 妊娠反応陽性, 最終月経より4週4日であった. 内診所見は, 子宮頸部の可動痛を認め, 子宮付属器周辺にも圧痛及び反跳痛, 筋性防御を認めた. 下腹部は全体的に硬く, 下腹部からMcBurney点を中心に, 圧痛, 反跳痛, 筋性防御を認めた. |
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ISSN: | 1884-9938 |