腹腔鏡下に診断した消化器由来の粘液嚢腫の2例

【緒言】腹膜偽粘液腫(pseudomyxoma peritonei:PMP)は, 腹腔内に腫瘍性に粘液産生及び腫瘍細胞の播種を来す予後不良の疾患である. 粘液性腫瘍の被膜破綻が原因とされている. PMPを来す粘液性腫瘍は, 卵巣腫瘍(異型増殖性粘液腫瘍atypical proliferative mucinous tumor:APMT)と消化器由来の粘液嚢腫に分類される1,2,3). 術前には卵巣原発か鑑別診断が重要であるが, 必ずしも容易ではない. 今回我々は術前に消化器由来の粘液嚢腫と確定診断がつかず腹腔鏡下手術により診断した2症例を経験したので報告する. 【症例1】患者:70歳, 2回経...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2012-08, Vol.28 (1), p.373-377
Hauptverfasser: 近藤壮, 塩野入規, 塩沢功, 宮本昌武, 桐井靖
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】腹膜偽粘液腫(pseudomyxoma peritonei:PMP)は, 腹腔内に腫瘍性に粘液産生及び腫瘍細胞の播種を来す予後不良の疾患である. 粘液性腫瘍の被膜破綻が原因とされている. PMPを来す粘液性腫瘍は, 卵巣腫瘍(異型増殖性粘液腫瘍atypical proliferative mucinous tumor:APMT)と消化器由来の粘液嚢腫に分類される1,2,3). 術前には卵巣原発か鑑別診断が重要であるが, 必ずしも容易ではない. 今回我々は術前に消化器由来の粘液嚢腫と確定診断がつかず腹腔鏡下手術により診断した2症例を経験したので報告する. 【症例1】患者:70歳, 2回経妊2回経産, 閉経58歳 主訴:下腹部腫瘍指摘 既往歴:62歳時, ダグラス窩膿瘍除去術(他院) 現病歴:近医で体重減少を訴え, 腹部超音波検査で98mmの下腹部腫瘍を認めた. 精査目的にX年7月当科に紹介となった. 受診時150cm, 52kgと, るい痩を認めず, 経腟超音波検査で子宮上部に58.2×43.3mmの嚢胞性腫瘍を認めた.
ISSN:1884-9938