腹腔鏡下子宮内膜症性嚢胞摘出術の止血は凝固と縫合どちらを選択するべきか―AMHと胞状卵胞数から見た卵巣予備能をもとに
【抄録】子宮内膜症性嚢胞を合併する不妊症例に対して, 腹腔鏡下子宮内膜症性嚢胞摘出術は妊娠率の向上に有効とされているが, 嚢胞摘出術後の卵巣予備能の低下を示唆する報告もある. 嚢胞摘出後の卵巣予備能低下の要因の一つに嚢胞摘出後の止血が挙げられる. 止血操作には, パワーソースによる凝固と縫合のいずれかが選択される. 今回, 腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術時の止血法として, パワーソースによる凝固と縫合のどちらが卵巣予備能温存に有効であるかを検討した. 年齢, BMI, 月経周期, rASRM score, 腫瘍径に有意差のないバイポーラによる凝固26例と2-OPDSによる縫合22例の2群において, 血...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2011, Vol.27 (2), p.468-472 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【抄録】子宮内膜症性嚢胞を合併する不妊症例に対して, 腹腔鏡下子宮内膜症性嚢胞摘出術は妊娠率の向上に有効とされているが, 嚢胞摘出術後の卵巣予備能の低下を示唆する報告もある. 嚢胞摘出後の卵巣予備能低下の要因の一つに嚢胞摘出後の止血が挙げられる. 止血操作には, パワーソースによる凝固と縫合のいずれかが選択される. 今回, 腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術時の止血法として, パワーソースによる凝固と縫合のどちらが卵巣予備能温存に有効であるかを検討した. 年齢, BMI, 月経周期, rASRM score, 腫瘍径に有意差のないバイポーラによる凝固26例と2-OPDSによる縫合22例の2群において, 血清AMH, FSH, estradiolの術前後の比較では, 血清AMHは凝固, 縫合の両群共に有意な低下を認めた. 血清FSH, estradiolにおいては両群共に術前後で有意差を認めなかった. 術後の胞状卵胞数は凝固群では健側と術側で有意差を認めなかったが, 縫合群では健側に比較して術側で有意に少なかった. 今回, 腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術後の短期経過では, 卵子の量的低下を招く事から止血法としては縫合よりもパワーソースによる凝固の方が卵巣予備能温存に有意であることが示唆された. |
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ISSN: | 1884-9938 |