両側卵巣チョコレート嚢胞症例における腹腔鏡手術の術後成績について

「諸言」女性のライフスタイルの変化により子宮内膜症―特に, 卵巣チョコレート嚢胞を取り扱う機会が確実に増加している. 卵巣チョコレート嚢胞は生殖年齢婦人に好発する疾患であり, 近年, 手術治療においては腹腔鏡手術を選択する施設が累増している. その理由は, 子宮内膜症が示す多彩な病変は肉眼よりもむしろ腹腔鏡でこそ詳細に観察可能で, 子宮内膜症取り扱い規約でも婦人科医は腹腔鏡を大いに利用すべきであると記されていることからも首肯される1). 現に, 当施設での最近5年間(2005-2009年)での卵巣チョコレート嚢胞の腹腔鏡手術実施数は381例(腹腔鏡手術総数に占める頻度30.7%)であり, 卵巣...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010-12, Vol.26 (2), p.503-506
Hauptverfasser: 中村あずみ, 廣田穰, 西尾永司, 宮田雅子, 西澤春紀, 安江朗, 松岡美杉, 塚田和彦, 宇田川康博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「諸言」女性のライフスタイルの変化により子宮内膜症―特に, 卵巣チョコレート嚢胞を取り扱う機会が確実に増加している. 卵巣チョコレート嚢胞は生殖年齢婦人に好発する疾患であり, 近年, 手術治療においては腹腔鏡手術を選択する施設が累増している. その理由は, 子宮内膜症が示す多彩な病変は肉眼よりもむしろ腹腔鏡でこそ詳細に観察可能で, 子宮内膜症取り扱い規約でも婦人科医は腹腔鏡を大いに利用すべきであると記されていることからも首肯される1). 現に, 当施設での最近5年間(2005-2009年)での卵巣チョコレート嚢胞の腹腔鏡手術実施数は381例(腹腔鏡手術総数に占める頻度30.7%)であり, 卵巣疾患に対する腹腔鏡手術の中で最も実施頻度の高い術式となっている. 一方, 両側卵巣チョコレート嚢胞の手術症例では臨床妊娠率, 生産率は明らかに減少することが示されており, 若年婦人ではその取り扱いに細心の注意を払う必要がある2).
ISSN:1884-9938