P-1014 経頸管FT困難症例に対し, 経卵管采FTを試みた症例
【緒言】卵管鏡町卵管形成術(Falloposcopic Tuboplasty:FT)は低侵襲かつ有用性の高い治療法としてIVFと並列して位置づけられている. クラミジアIgG抗体が陽性である場合や, HSGで卵管周囲の癒着や遠位部卵管病変の存在が疑われる場合などは腹腔鏡下手術の併用を考慮している. 従来, 遠位部卵管病変に対して経卵管采FT(TFFT)が行われていたが, 今回我々は経頸管FT(TCFT)で近位部卵管閉塞の疎通が不可能な症例に対し, 経卵管采アプローチでFTを試みたので報告する. 【症例】28歳1経妊0経産で中絶手術の既往あり. 挙児希望にて当院紹介され, HSGにて両側の近位部...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.217-217 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】卵管鏡町卵管形成術(Falloposcopic Tuboplasty:FT)は低侵襲かつ有用性の高い治療法としてIVFと並列して位置づけられている. クラミジアIgG抗体が陽性である場合や, HSGで卵管周囲の癒着や遠位部卵管病変の存在が疑われる場合などは腹腔鏡下手術の併用を考慮している. 従来, 遠位部卵管病変に対して経卵管采FT(TFFT)が行われていたが, 今回我々は経頸管FT(TCFT)で近位部卵管閉塞の疎通が不可能な症例に対し, 経卵管采アプローチでFTを試みたので報告する. 【症例】28歳1経妊0経産で中絶手術の既往あり. 挙児希望にて当院紹介され, HSGにて両側の近位部卵管閉塞を指摘され, 子宮鏡下卵管通水検査にて機能性閉塞を否定した. クラミジアIgG抗体が陽性であったため, 腹腔鏡併用でFTを施行した. 腹腔内所見では卵管・卵巣周囲に癒着は認められず, 子宮および上腹部も正常であった. TCFTでは両側とも卵管間質部を通過後, 卵管間膜の方へ進入してしまい, FT続行不可能であったため, 5mmトロッカーよりFTカテーテルを挿入し卵管采よりFTカテーテルの挿入を試みた. 卵管膨大部までは外筒のまま挿入可能で, 膨大部からバルーンを逆行性に伸長させたが, 間質部付近までの挿入はできなかった. 術後のHSGでも卵管疎通は認められず, 今後体外受精の予定である. 【考察】近位部卵管での穿孔などにより, FT疎通できない症例に対して, 卵管采よりの逆行性アプローチは有効である可能性がある. CO2の漏出は軽度あるものの, 5mmトロッカーよりFTカテーテルは挿入可能であった. 卵管膨大部まではFTカテーテルの外筒が挿入可能であり, 膨大部よりのバルーン伸長が可能であった. 本症例では間質部付近までのバルーン挿入はできなかったが, 膨大部を出発点とすれば卵管近位端までの挿入は可能であると考えられた. |
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ISSN: | 1884-9938 |