O-1469 腹腔鏡手術における尿管損傷回避を目指して

婦人科腹腔鏡手術で尿管損傷を来たしやすい部位は, 骨盤漏斗靭帯, 骨盤縁付近, 子宮動脈交叉部, 尿管トンネル部等とされており, 0.3-2.0%に起こるとされている. 腹腔鏡手術ではパワーソースを多用する点, 視野が制限される場合や実際に臓器を触知できないという点から, 尿管走行に注意を払った手技が必要である. 当院では子宮摘出術, 子宮内膜症手術の際に, 尿管の確認及び必要時には剥離を行い, 安全な腹腔鏡手術を目指している. 当院では, 過去3年間(2007-2009年)において1122例の腹腔鏡手術を行っており, そのうちTotal Laparoscopic Hysterectomy(T...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.206-206
Hauptverfasser: 小玉美智子, 尾上昌世, 吉見佳奈, 久毅, 大塚博文, 橋本奈美子, 佐伯典厚, 舩渡孝郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:婦人科腹腔鏡手術で尿管損傷を来たしやすい部位は, 骨盤漏斗靭帯, 骨盤縁付近, 子宮動脈交叉部, 尿管トンネル部等とされており, 0.3-2.0%に起こるとされている. 腹腔鏡手術ではパワーソースを多用する点, 視野が制限される場合や実際に臓器を触知できないという点から, 尿管走行に注意を払った手技が必要である. 当院では子宮摘出術, 子宮内膜症手術の際に, 尿管の確認及び必要時には剥離を行い, 安全な腹腔鏡手術を目指している. 当院では, 過去3年間(2007-2009年)において1122例の腹腔鏡手術を行っており, そのうちTotal Laparoscopic Hysterectomy(TLH)は281例, 子宮内膜症手術は226例あるが, 尿管損傷例は認めていない. 当院での手術に際しての工夫, また非典型的な尿管の走行の為に尿管剥離を要した症例について提示する. 症例1は内膜症性嚢胞に対する付属器摘出術の症例である. 嚢胞が癒着している広間膜後葉腹膜を同時に切除する為に, 側方アプローチで尿管を同定し, 骨盤漏斗靭帯を切断, 尿管を剥離しながら摘出を行っている. 症例2はTLHの際の尿管走行を確認する手技についてである. 子宮動脈と尿管の交叉部で剥離を開始し, 症例によっては尿管トンネル付近まで剥離を行い, 損傷を生じないよう留意をしている. 症例3は, LH後の膣断端嚢腫に対する嚢腫摘出術症例である. 左尿管が樽町端に強く牽引されており, 剥離を要した症例である. いずれにおいても, 良好な視野を確保する事, 必要に応じてWater dissectionを行う事, パワーソース使用は適切なカウンタートラクションをかけた上で短時間に行う事を心がけている.
ISSN:1884-9938