O-1461 子宮鏡下手術にて診断した低悪性度ポリープ状異型腺筋腫の一例

【緒言】ポリープ状異型腺筋腫(atypical polypoid adenomyoma)は扁平上皮化生を伴う不規則な異型内膜腺の増殖とその周囲を取り囲む平滑筋の密な増殖によって特徴づけられるポリープ状病変と定義され, 癌と誤診される場合もある. ほとんどが閉経前の未経産婦に発症し, 大部分は良性腫瘍であるが, 子宮内膜癌との共存や癌化も報告されている. 今回, 我々は粘膜下筋腫の術前診断で子宮鏡下手術を行い, 低悪性度ポリープ状異型腺筋腫(Atypilcal Polypoid Adenomyoma of Low Malignant Potential)と診断した症例を経験:したので報告する....

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.202-202
Hauptverfasser: 小口秀紀, 宮崎のどか, 大塚祐基, 古株哲也, 邨瀬智彦, 長谷川育子, 坂野伸弥, 田中和東, 原田統子, 岸上靖幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【緒言】ポリープ状異型腺筋腫(atypical polypoid adenomyoma)は扁平上皮化生を伴う不規則な異型内膜腺の増殖とその周囲を取り囲む平滑筋の密な増殖によって特徴づけられるポリープ状病変と定義され, 癌と誤診される場合もある. ほとんどが閉経前の未経産婦に発症し, 大部分は良性腫瘍であるが, 子宮内膜癌との共存や癌化も報告されている. 今回, 我々は粘膜下筋腫の術前診断で子宮鏡下手術を行い, 低悪性度ポリープ状異型腺筋腫(Atypilcal Polypoid Adenomyoma of Low Malignant Potential)と診断した症例を経験:したので報告する. 【症例】32歳. 未婚. 未経妊. 不正性器出血, 過多月経を主訴に前科を受診. 粘膜下筋腫の診断で, 手術をすすめられ, 貧血治療後に当院紹介初診となった. MRIにて子宮体部右後壁より子宮粘膜下に発育する直径2.3cmの腫瘍を認め, 粘膜下筋腫の診断で子宮鏡下手術を施行した. 子宮鏡下で子宮内腔に突出した腫瘤を認め, 経廻管的切除術(TCR)にて腫瘤を摘出した. 病理組織検査では扁平上皮化生を伴う異型内膜腺の増殖と平滑筋細胞の増殖を認めたが, 通常のポリープ状異型腺筋腫と異なり, 上皮の増生が非常に優性であり, 病理組織診断は低悪性度ポリープ状異型腺筋腫であった. 現在, 不正性器出血, 過多月経, 貧血も改善し, 外来経過観察中である. 【結論】ポリープ状異型腺筋腫の大部分は良性腫瘍で, 子宮内膜癌の筋層浸潤と誤診してはならないとされている. しかし, 子宮内膜癌との共存や癌化も報告されているため, 確実に腫瘍を摘出する必要がある. TCRは子宮内膜全面掻爬に比較して, 腫瘍を視覚的に把握し, 腫瘍を完全に摘出できる点で優れており, 特に子宮温存を希望する未経産婦で子宮内膜癌との鑑別が困難なポリープ状異型腺筋腫の診断と治療に有用である.
ISSN:1884-9938