O-1340 尿膜管嚢胞と鑑別を要したmesothelial cystの一例
mesothelial cystはperitoneal inclusion cyst, benign cystic mesothliomaなどさまざまな名称で呼ばれているが, 手術・骨盤内炎症性疾患・子宮内膜症の既往でしばしば認め, 骨盤内の炎症や癒着に伴い形成される良性の嚢胞性腫瘤である. 今回, 腹腔外に発育し, 腹腔鏡下手術中, 診断に苦慮した症例を経験した. 症例は43歳未経妊. 下腹部痛を主訴に, 近医産婦人科を受診の際, 子宮筋腫と子宮内膜症の診断で当科紹介受診となった. 診察所見では, 円高に達する軟な腫瘤を触知し, MRIで多発筋腫, 腺筋症, 内膜症性嚢胞の他に, 子宮腹側に...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.150-150 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | mesothelial cystはperitoneal inclusion cyst, benign cystic mesothliomaなどさまざまな名称で呼ばれているが, 手術・骨盤内炎症性疾患・子宮内膜症の既往でしばしば認め, 骨盤内の炎症や癒着に伴い形成される良性の嚢胞性腫瘤である. 今回, 腹腔外に発育し, 腹腔鏡下手術中, 診断に苦慮した症例を経験した. 症例は43歳未経妊. 下腹部痛を主訴に, 近医産婦人科を受診の際, 子宮筋腫と子宮内膜症の診断で当科紹介受診となった. 診察所見では, 円高に達する軟な腫瘤を触知し, MRIで多発筋腫, 腺筋症, 内膜症性嚢胞の他に, 子宮腹側に径15x9cmのT1低信号, T2高信号の大きな嚢胞性腫瘤を認めた. 漿液性嚢胞腺腫, または炎症性嚢胞と考え, 内視鏡下手術を開始した. 腹腔内を観察すると, 壁側腹膜で覆われ, 両側内側膀ヒダに挟まれる様に存在する軟な小児頭の腫瘤を認め, 左付属器, 子宮前壁と癒着していた. また, ダグラス窩は閉鎖し, 子宮は直視できなかった. 術中所見より, 尿膜管嚢胞の可能性が否定できず, 壁側腹膜との剥離を慎重に進め, 膀胱との境界が明らかでなかったため, 1/3程度残す形で切除した. 術後病理では, mesothelial cystとの診断を得た. |
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ISSN: | 1884-9938 |