O-1319 吊り上げ臍部単孔式腹腔鏡下手術により治療した付属器腫瘍66症例の検討

【はじめに】2007年のCurcilloとKingによる臍部単孔式腹腔鏡下手術の報告以来, その優れた整容性で注目が集まり, 様々な手術手技への応用が報告されている. 当科では, 吊り上げ式による臍峰打孔式腹腔鏡下手術を2009年8月から開始し, 66症例の付属器腫瘍に対して施行され, 良好な成績を得たので報告する. 【方法】手術適応は, 術前の画像診断や腫瘍マーカーで明らかな悪性腫瘍を除外した付属器腫瘤とした. 全身麻酔下にて, 脚部を約2.5cm縦切開して腹腔内へ到達し, Alexis Wound RetractorTMXSを装着して単孔式のポートとした. 皮下鋼線吊り上げ法により, 腹壁...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.140-140
Hauptverfasser: 中野知子, 井本早苗, 森正彦, 中村浩美, 竹田明宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【はじめに】2007年のCurcilloとKingによる臍部単孔式腹腔鏡下手術の報告以来, その優れた整容性で注目が集まり, 様々な手術手技への応用が報告されている. 当科では, 吊り上げ式による臍峰打孔式腹腔鏡下手術を2009年8月から開始し, 66症例の付属器腫瘍に対して施行され, 良好な成績を得たので報告する. 【方法】手術適応は, 術前の画像診断や腫瘍マーカーで明らかな悪性腫瘍を除外した付属器腫瘤とした. 全身麻酔下にて, 脚部を約2.5cm縦切開して腹腔内へ到達し, Alexis Wound RetractorTMXSを装着して単孔式のポートとした. 皮下鋼線吊り上げ法により, 腹壁を挙上して視野確保を行った. 付属器摘出術の靱帯の切断はLigaSure AtlasTMで行った. 卵巣腫瘍核出術は体外法による縫合を行ったが, 付属器が体外に牽引不能な例はエンドステッチを使用して体内法で縫合した. 摘出腫瘍の搬出は下部のポートから行った. 【結果】2009年8月号り2010年4月までに付属器腫瘍に対して行った単孔式腹腔鏡下手術は66例であった. 術式としては, 付属器摘出術41例, 卵巣腫瘍核出術25例であった. 緊急症例は7例(捻転3例, 破裂4例)であり, 妊娠合併は4例であった. 通常の腹腔鏡下手術移行例は, 高度の癒着を伴う内膜症性嚢胞の1例で認めた. 術後出血を1例で認めたが, 保存的に軽快した. 【考案と結語】吊り上げ式臍部単孔式腹腔鏡下手術においては, 特殊なポートやトロッカーを用いて気密性を保つ必要が無く, 低侵襲かつ低コストを実現させ, 一般病院においても従来の手術手法の延長として比較的容易に臍部単孔式腹腔鏡下手術を行うことが可能であり, 有用な方法と考えられた.
ISSN:1884-9938