O-1307 安全に臍部単孔式腹腔鏡下手術を施行するための工夫

【目的】臍部単孔式手術について, 手術困難症例の経験と安全に手術を施行するための工夫について報告する. 【対象と方法】対象は2009年3月から2010年4月までに臍部単孔式手術を施行した42例(卵巣腫瘍核出術23例, 附属器摘出術12例, LAVH2例, PCO多孔術2例, 卵管切除1例, 卵管形成術1例, 卵管周囲癒着剥離術1例)で, 31例はSingle Port Access(SPATM)法, 11例はSILSTM port法で施行した. 【結果】36例は単孔式に手術完遂可能であったが, SPATM法導入初期に2例はポート穿刺部からのCO2 gas漏出のために安全な術野の確保が不可能とな...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.134-134
Hauptverfasser: 逸見博文, 東口篤司, 斎藤学, 板橋詠子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】臍部単孔式手術について, 手術困難症例の経験と安全に手術を施行するための工夫について報告する. 【対象と方法】対象は2009年3月から2010年4月までに臍部単孔式手術を施行した42例(卵巣腫瘍核出術23例, 附属器摘出術12例, LAVH2例, PCO多孔術2例, 卵管切除1例, 卵管形成術1例, 卵管周囲癒着剥離術1例)で, 31例はSingle Port Access(SPATM)法, 11例はSILSTM port法で施行した. 【結果】36例は単孔式に手術完遂可能であったが, SPATM法導入初期に2例はポート穿刺部からのCO2 gas漏出のために安全な術野の確保が不可能となり, 2例は高度な癒着のため, 1例は巨大卵巣腫瘍のために十分なカウンタートラクションかかけられず, 安全な術野が確保できなかったためMulti-port法へ変更した. このような2本の鉗子では十分なカウンタートラクションがかけられない症例に対して, 2010年3月よりSPATM法において従来の2本のポートに加えて, 第3の処置用鉗子を臍部皮下展開部からダイレクト穿刺する方法を導入し, より安全な視野を確保した操作が可能となった. また, 従来の2本の処置用ポートの位置を病巣の位置に応じてアレンジすることで, 従来の方法より各ポート, 鉗子間の干渉が少なく, 術中のCO2 gas漏出などのトラブルが少ないSPATM法が可能となった. 結紮操作はRoeder slip Knotなどの体外結紮法や可変型屈曲鉗子を用いて, あるいは針を把持して鉗子と結紮糸を平行にしてループを作成する体内結紮法が有用であった. 【結論】症例に応じて適切なポートの位置, 鉗子の数を選択することは, 安全かつ円滑な単孔式手術を行うために重要と思われた.
ISSN:1884-9938