O-1221 卵管妊娠に対する腹腔鏡下卵管線状切開術施行後の合併症, 卵管疎通性および妊娠予後に関する検討
【目的】卵管妊娠に対して卵管温存を目的とした腹腔鏡下卵管線状切開術が広く行われている. しかしながら術後合併症の発生率, 患側卵管の術後再疎通率や妊娠予後についてはいまだ不明な点が多い. 今回我々は腹腔鏡下卵管線状切開術後の合併症発生率と卵管再疎通率および妊娠予後について検討した. 【方法】2007年12月から2009年12月までに当院で卵管妊娠に対し卵管線状切開術を施行した74例を対象とした. 卵管再疎通率はインフォームドコンセントの得られた症例の術後3~4か月後に子宮卵管造影を行い評価し, 術後の妊娠についてはアンケート調査と診療録より評価した. 合併症の発生率は診療録より評価した. 【結...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.102-102 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】卵管妊娠に対して卵管温存を目的とした腹腔鏡下卵管線状切開術が広く行われている. しかしながら術後合併症の発生率, 患側卵管の術後再疎通率や妊娠予後についてはいまだ不明な点が多い. 今回我々は腹腔鏡下卵管線状切開術後の合併症発生率と卵管再疎通率および妊娠予後について検討した. 【方法】2007年12月から2009年12月までに当院で卵管妊娠に対し卵管線状切開術を施行した74例を対象とした. 卵管再疎通率はインフォームドコンセントの得られた症例の術後3~4か月後に子宮卵管造影を行い評価し, 術後の妊娠についてはアンケート調査と診療録より評価した. 合併症の発生率は診療録より評価した. 【結果】術後合併症は4例に認められ, 存続絨毛症が3例, 術後出血が1例であった. 再手術を要した症例は存続絨毛症で腹腔鏡下卵管切除術を施行した1例と術後出血のため開腹下に卵管切除術を施行した1例であった. 卵管切開術を施行し, 最終的に患側卵管を温存できた症例は72例であった. 子宮卵管造影を施行した症例1は30例で, 患側卵管の疎通性を認めた症例は15例であった. 妊娠転帰を確認できた症例は39例で, 妊娠転帰不明例は33例であった. 子宮内妊娠に至った症例は24例で, 生児を獲得できた症例は19例, 自然流産のみの症例が5例であった. 妊娠を希望したが妊娠に至らなかった例は8例, 妊娠を希望しなかった例は7例であった. 子宮内妊娠に至った24例の内, 子宮卵管造影を施行していた症例は7例で, 患側卵管の疎通性を認めていた症例が2例, 患側卵管が閉塞していた症例が5例であった. 【考察】卵管切開術により患側卵管は97%温存できたが, 再疎通率は約50%と十分とは言えない結果であった. また術後妊娠希望者の59%(19/32)は生児を獲得できており, 妊娠予後はほぼ良好と考えられる. 妊娠に対する卵管温存の寄与については今後の検討が必要と思われる. |
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ISSN: | 1884-9938 |