O-1217 副角妊娠に対し単孔法による吊り上げ式腹腔鏡下副角切除術を行った一例

副角妊娠はまれな疾患であるが, 今回我々は妊娠10週の副角妊娠症例に対し, 単孔法による腹腔鏡下切除術を行った症例を経験したので報告する. 症例は35歳で4経妊3経産であった. 最終月経より8週3日に妊娠反応陽性のため前医受診し, 子宮内に胎嚢を認めないため経過観察となっていた. 9週1日に不正出血と下腹痛のため, 前医を再診した. 子宮外妊娠を疑われ, 当院紹介受診となった. 軽度腹痛, 中等度性器出血, 右骨盤内腫瘤を認めたため, 右卵管妊娠の疑いで同日入院となった. 入院時血中hCGは16750mIU/mlであった. 入院後, 腹痛はほとんど消失したが中等度の性器出血が持続した. 内診所...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.100-100
Hauptverfasser: 佐藤いずみ, 田中耕平, 藤井調, 橋本志奈子, 野田隆弘, 岩本充, 飯田修一, 森滋, 鈴木雅洲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:副角妊娠はまれな疾患であるが, 今回我々は妊娠10週の副角妊娠症例に対し, 単孔法による腹腔鏡下切除術を行った症例を経験したので報告する. 症例は35歳で4経妊3経産であった. 最終月経より8週3日に妊娠反応陽性のため前医受診し, 子宮内に胎嚢を認めないため経過観察となっていた. 9週1日に不正出血と下腹痛のため, 前医を再診した. 子宮外妊娠を疑われ, 当院紹介受診となった. 軽度腹痛, 中等度性器出血, 右骨盤内腫瘤を認めたため, 右卵管妊娠の疑いで同日入院となった. 入院時血中hCGは16750mIU/mlであった. 入院後, 腹痛はほとんど消失したが中等度の性器出血が持続した. 内診所見上, 子宮外妊娠の所見に乏しいことから自然流産と考え, 9週2日に子宮内膜掻爬術を施行した. 子宮内容はほとんど認めず, 翌日の血中hCGは19644mIU/mlと上昇した. このため, 子宮外妊娠の有無を確認するために, 10週4日に吊り上げ式腹腔鏡下手術を行った. 臍下縁横切開でラッププロテクターミニを装着し, 単孔法にて手術を行った. 腹腔内には出血があり, 子宮右側から伸び, 右卵管に連続する部分が腫大していた. 右卵管は正常であったため, 右副角妊娠の破裂と診断し, ソノサージにて右副角・右卵管合併切除を行った. 創部はモノクリルでZ縫合後, 体外結紮して修復した. 術後, 血中hCGは低下し, 術後4日目に軽快退院となった. ラッププロテクターを用いた単孔法による腹腔鏡下手術は, 体外結紮術による創部修復も可能であることから, 低侵襲性かつ美容的にも優れた術式であり, 副角妊娠に対しても有効であると考えられる.
ISSN:1884-9938