O-1149 卵巣嚢腫を伴った傍卵巣嚢胞茎捻転の一例

傍卵巣嚢胞は付属器腫瘤の約10%を占め, 茎捻転の頻度はその約5%とされる. 今回我々は, 術前に両側性卵巣腫瘍の片側卵巣腫瘍茎捻転と診断するも, 左側の卵巣腫瘍と同型の傍卵巣嚢胞で茎捻転がみられた稀な一例を経験したので報告する. 症例は29歳, 1経妊0経産, 既往歴・家族歴に特記事項なし. 初診の2ケ月前, 子宮癌検診時に両側の卵巣腫瘍を指摘されたため当院に紹介受診となった. 初診時の経腟超音波検査では, ダグラス窩に9.3×8.3cm大の皮様嚢胞腫を疑う腫瘤, 膀胱子宮窩に8.4×6.3cm大の漿液性腫瘍を疑う腫瘤を認めた. 腫瘍マーカーは, CEA 0.6ng/mL, CA19-9 5...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.91-91
Hauptverfasser: 佐藤伊知朗, 永石匡司, 久野宗一郎, 山本樹生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:傍卵巣嚢胞は付属器腫瘤の約10%を占め, 茎捻転の頻度はその約5%とされる. 今回我々は, 術前に両側性卵巣腫瘍の片側卵巣腫瘍茎捻転と診断するも, 左側の卵巣腫瘍と同型の傍卵巣嚢胞で茎捻転がみられた稀な一例を経験したので報告する. 症例は29歳, 1経妊0経産, 既往歴・家族歴に特記事項なし. 初診の2ケ月前, 子宮癌検診時に両側の卵巣腫瘍を指摘されたため当院に紹介受診となった. 初診時の経腟超音波検査では, ダグラス窩に9.3×8.3cm大の皮様嚢胞腫を疑う腫瘤, 膀胱子宮窩に8.4×6.3cm大の漿液性腫瘍を疑う腫瘤を認めた. 腫瘍マーカーは, CEA 0.6ng/mL, CA19-9 5.6U/mL, CA125 8.0U/mL, AFP 2.6ng/mLといずれも正常域であった. その後, 急性腹症を呈したため, 卵巣腫瘍茎捻転を疑い, 緊急腹腔鏡下手術を決定した. 腹腔内所見では, 左傍卵巣嚢胞が約8cm大に腫大し, 潮時計回りに1回転半の捻転を認めた. さらに左卵巣嚢腫も約9cmに腫大していたが, 捻転はなかった. また, 右卵巣は多嚢胞性卵巣の所見であった. 術式は, 腹腔鏡下図傍卵巣嚢腫摘出術, 左卵管摘出術, 左卵巣嚢腫摘出術および右卵巣多孔術であった. 手術時間は3時間40分, 出血量は11gであった. 術後経過は良好にて術後6日目, 退院となった. 病理組織診断は, (1) Parovarian cyst with hemorrhage, left. (2) Focal hemorrhagic necrosis in salpinx, left. (3) Mature cystic teratoma in ovary, left. であった.
ISSN:1884-9938