O-1142 卵巣嚢腫合併妊娠の腹腔鏡手術の検討

【目的】当院にて腹腔鏡にて加療した卵巣嚢腫合併妊娠に関して, 手術の安全性や妊娠への影響を検討する. 【方法】2006年1月より2010年5月のあいだ当院で加療した卵巣嚢腫合併妊娠に対し, 腹腔鏡手術施行週数, 麻酔法, 術式, 術時間, 出血量, 術後合併症, 入院期間や妊娠合併症について検討する. 【結果】症例は12例, 平均年齢29.3歳, 平均経妊回数1.2回, 平均経産回数0.3回, 手術施行週数(中央値)14週(4-16)であった. 全例全身麻酔(2例は硬膜外麻酔併用), 気腹法(気腹内圧8mmHg)にて行った. 3例(25%)は, 緊急腹腔鏡下手術であった. 5例(41.7%)は...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.87-87
Hauptverfasser: 古元淑子, 角田守, 小西恒, 北井俊大, 中川慧, 中島沙織, 奥野健太郎, 宇垣弘美, 竹村昌彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】当院にて腹腔鏡にて加療した卵巣嚢腫合併妊娠に関して, 手術の安全性や妊娠への影響を検討する. 【方法】2006年1月より2010年5月のあいだ当院で加療した卵巣嚢腫合併妊娠に対し, 腹腔鏡手術施行週数, 麻酔法, 術式, 術時間, 出血量, 術後合併症, 入院期間や妊娠合併症について検討する. 【結果】症例は12例, 平均年齢29.3歳, 平均経妊回数1.2回, 平均経産回数0.3回, 手術施行週数(中央値)14週(4-16)であった. 全例全身麻酔(2例は硬膜外麻酔併用), 気腹法(気腹内圧8mmHg)にて行った. 3例(25%)は, 緊急腹腔鏡下手術であった. 5例(41.7%)は腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術を施行し, うち2例(16.7%)は腹腔鏡補助下にて体外式で行った. ほか腹腔鏡下捻転解除術2例(16.7%), 腹腔鏡下卵巣部分切除術1例(8.3%), 腹腔鏡下付属器摘出術1例1(8.3%)であった. 平均腫瘍サイズは7.6cmで, 術中開腹に移行した症例はなく, 麻酔管理においても麻酔関連合併症および管理困難な症例は認めなかった. 平均手術時間は88分, 術後合併症は皮様嚢腫術後のchemical peritonitis疑いが1例, 発熱を1例に認めたがいずれも保存的に治癒した. 術中出血量はほとんどの症例で少量(少量ml-1350ml)で, 同種血輸血例はなかった. 入院期間は7.7±2.4日で, 全例術後の妊娠経過に異常を認めなかった. 摘出標本において悪性所見はなかった. 【考察】妊娠中の腹腔鏡手術は, 非妊時と同様, 気腹法にて十分安全に施行可能な治療方法であると思われる. しかし腫瘍が大きいときや妊娠週数が進行した場合には腹腔内の十分なスペースが得られないことも予想できるため, 黄体嚢胞が否定されればなるべく早期の手術設定が安全な妊娠中の腹腔鏡手術には必要と思われる.
ISSN:1884-9938