O-1115 腹腔鏡下筋腫核出術(LM)が有効であった粘膜下筋腫様発育を呈した筋層内筋腫の2症例
【緒言】最も高頻度に認める女性特有の充実性腫瘍は子宮筋腫であり, その多くは無症状である. 症状を認める症例では過多月経に伴う貧血を呈することが多い. 中でも粘膜下筋腫は早期より症状を呈し手術適応となる. 今回, 筋層内に筋腫核を有しながら子宮内腔に発育する筋腫に対しLMを施行. 良好な術後経過が得られた2症例を経験したので報告する. 【症例】(症例1)36歳, 2経妊2経産. 不正性器出血を主訴に来院. エコーで内膜肥厚を指摘. 諸検査から筋層内に筋腫核を持つ粘膜下筋腫と診断. 高い突出率があると考えTCRを施行した後, 外来経過観察となるが, その後早期に再燃. このためLMを施行するに至...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2010, Vol.26 (1), p.74-74 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】最も高頻度に認める女性特有の充実性腫瘍は子宮筋腫であり, その多くは無症状である. 症状を認める症例では過多月経に伴う貧血を呈することが多い. 中でも粘膜下筋腫は早期より症状を呈し手術適応となる. 今回, 筋層内に筋腫核を有しながら子宮内腔に発育する筋腫に対しLMを施行. 良好な術後経過が得られた2症例を経験したので報告する. 【症例】(症例1)36歳, 2経妊2経産. 不正性器出血を主訴に来院. エコーで内膜肥厚を指摘. 諸検査から筋層内に筋腫核を持つ粘膜下筋腫と診断. 高い突出率があると考えTCRを施行した後, 外来経過観察となるが, その後早期に再燃. このためLMを施行するに至った. (症例2)40歳, 0経妊. 過多月経, 貧血を主訴に受診. 症例1同様のMRI所見, 患者の希望もありLMとなる. いずれも後壁に発生した単発性筋腫であった. 通常装着するマニュピレーターを除去し, 把持鉗子を用い子宮を前屈. 症例1では子宮後壁正中に希釈したバゾプレッシンを筋注するが, 肉眼的に筋腫の局在が不明瞭であった. この為MRIで位置を確認しながら子宮底と内子宮口レベルの中間を超音波メスにて正中切開することで筋腫の一部を確認. クロウ鉗子にて牽引し核出する. 症例2は筋腫の局在予測が可能であったため, バゾプレッシンの筋注後, 横切開にて筋腫核出とした. いずれの症例も一部子宮内腔が露見されたため内膜縫合を施行した後, 単結紮で筋層2層縫合とし手術を終了した. 手術時間は40分, 50分であり出血量も少量であった. 術後の経過に問題は無く, 術後3日目にいずれの症例も退院となる. 【考察】有茎性に発育する突出率の高い筋腫や, 通常の内膜ポリープに対してはTCRが有用である. しかし, 本症例の様に筋層内に首座を置き内開へ発育するもの, 突出率が比較的少ないにも関わらず症状を有する粘膜下筋腫に対して, LMは最初から考慮すべき治療方法の一つであると考える. |
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ISSN: | 1884-9938 |