腹腔鏡下付属器切除術後に同側に発生した卵巣癌の1例

【目的】腹腔鏡下付属器切除術後の経過観察中に発生した卵巣癌の1例を報告する. 【対象及び方法】症例は56歳, 閉経後の2回経産婦で, 2004年4月に7cm大の子宮内膜症性卵巣嚢腫に対し腹腔鏡下右付属器切術を施行した. 術後3年間, 半年毎に超音波検査にて経過観察し, 嚢胞形成は認められなかったが, 2007年8月近医での検診にて右下腹部に3.7cm大の嚢腫を指摘された. 腫瘍マーカーは正常範囲内で, MR画像にて莢膜細胞腫や線維腫が示唆されたため, 経過観察とした. しかし, 200S年10月に腫瘍は5.3cm大に増大し, 内部に充実性部分を認めるようになった. 腫瘍マーカーは正常範囲内で変...

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Hauptverfasser: 矢野ともね, 石田洋昭, 齋藤麻由美, 安田豊, 高島明子, 川島秀明, 齋藤智博, 深谷暁, 山澤功二, 木下俊彦
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】腹腔鏡下付属器切除術後の経過観察中に発生した卵巣癌の1例を報告する. 【対象及び方法】症例は56歳, 閉経後の2回経産婦で, 2004年4月に7cm大の子宮内膜症性卵巣嚢腫に対し腹腔鏡下右付属器切術を施行した. 術後3年間, 半年毎に超音波検査にて経過観察し, 嚢胞形成は認められなかったが, 2007年8月近医での検診にて右下腹部に3.7cm大の嚢腫を指摘された. 腫瘍マーカーは正常範囲内で, MR画像にて莢膜細胞腫や線維腫が示唆されたため, 経過観察とした. しかし, 200S年10月に腫瘍は5.3cm大に増大し, 内部に充実性部分を認めるようになった. 腫瘍マーカーは正常範囲内で変化がなかったが, MR画像では充実性部分が造影後T1強調画像で不均一に増強効果を示し, 悪性腫瘍が疑われたため, 同年12月に腫瘍摘出術を施行した. 病理検査所見はmucinous cystadenocarcinomaであったため, 2009年1月に腹式単純子宮全摘術, 左付属器切除術, 骨盤リンパ節・傍大動脈リンパ節郭清術および虫垂切除術を施行した. 【結果】最終病理結果はmucinous cystadenocarcinoma arising from remnant ovarian tissue, suggestive, and Stage Ilaであった. 【考察】子宮内膜症性卵巣嚢腫からの悪性腫瘍発生は稀ではあるが, 術後においても注意深い経過観察の必要性を再考させられた.
ISSN:1884-9938