頚部筋腫に対して前腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)を施行した症例
【緒言】当院では以前より腹腔鏡下子宮全摘術(LH)を行っていたが, その手法は体内縫合, 結紮手技を要さない方法であった. 具体的には子宮頚部の処理を, まず子宮動脈上行枝をエンドループで結紮し, 諸靭帯をソノサージにて切断し膣管切開まで腹腔鏡下に行い膣断端は膣式に縫合する術式で行っていた. 同方法は腹腔鏡下の縫合技術を要さず, 腹腔鏡下子宮全摘術の導入としては良い方法ではあるが, 頚部筋腫や筋腫が大きい場合や出血の際の対応が困難であった. そこで07年より縫合技術のトレーニングを行い, 子宮動脈本管, 基靭帯, 膣断端を縫合する全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)を導入し, 腹腔鏡下手術の適応を拡...
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Zusammenfassung: | 【緒言】当院では以前より腹腔鏡下子宮全摘術(LH)を行っていたが, その手法は体内縫合, 結紮手技を要さない方法であった. 具体的には子宮頚部の処理を, まず子宮動脈上行枝をエンドループで結紮し, 諸靭帯をソノサージにて切断し膣管切開まで腹腔鏡下に行い膣断端は膣式に縫合する術式で行っていた. 同方法は腹腔鏡下の縫合技術を要さず, 腹腔鏡下子宮全摘術の導入としては良い方法ではあるが, 頚部筋腫や筋腫が大きい場合や出血の際の対応が困難であった. そこで07年より縫合技術のトレーニングを行い, 子宮動脈本管, 基靭帯, 膣断端を縫合する全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)を導入し, 腹腔鏡下手術の適応を拡大しているところである. 今回当院における従来のLHでは対応困難と思われる頚部筋腫に対して, TLHを行った. 【症例】46歳女性. 2回経皮2回経産. 既往歴は前年に他院にて左卵巣膿瘍に対して腹腔鏡下左附属器摘出術を施行. その際に子宮筋腫を指摘され, 経過観察目的にて紹介受診となった. MRIで子宮頚部後唇より突出する75mmの子宮筋腫を認めた. 過多月経による貧血進行あり腹腔鏡下に子宮全摘を施行した. 右子宮動脈本管は剥離のうえ結紮し, 子宮頚部左側は癒着のため剥離困難であったため頚部の筋腫を良心させ, Aldridge法にて切断し, 子宮を摘出した. 【考察】腹腔鏡下手術を行うに際して, 多様な状況に対応するため結紮・縫合は必須の技術であり, 腹腔鏡手術今回の手術をそのことを痛感した. |
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ISSN: | 1884-9938 |