ラテックスアレルギーのハイリスクグループと考えられた症例に対する腹腔鏡下手術の経験
【緒言】メロンやキウイなどの果物では, ラテックスと一部に共通の抗原を有し, 交叉反応性がある. よって, これら果物を摂取した際にアレルギー症状をおこす患者では, ラテックスアレルギーを発症する可能性があり, ラテックスアレルギーのハイリスクグループとして分類される. 今回我々は, ラテックスアレルギーのハイリスクグループと考え, ラテックスを含有した医療器具を排除した上で, 腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を施行した一例を経験したので啓発を含め報告する. (症例)41歳未経妊, 不妊を主訴に初診. 子宮筋腫を認めたため, 腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術の適応とした. メロンとスイカを摂取した際, 口...
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Zusammenfassung: | 【緒言】メロンやキウイなどの果物では, ラテックスと一部に共通の抗原を有し, 交叉反応性がある. よって, これら果物を摂取した際にアレルギー症状をおこす患者では, ラテックスアレルギーを発症する可能性があり, ラテックスアレルギーのハイリスクグループとして分類される. 今回我々は, ラテックスアレルギーのハイリスクグループと考え, ラテックスを含有した医療器具を排除した上で, 腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を施行した一例を経験したので啓発を含め報告する. (症例)41歳未経妊, 不妊を主訴に初診. 子宮筋腫を認めたため, 腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術の適応とした. メロンとスイカを摂取した際, 口唇に発赤, 腫脹, 掻痒等のアレルギーと考えられる症状の既往が判明したため, ラテックスアレルギーのハイリスクグループと判断. ラテックスを含有した医療器具を排除して手術に臨むことにした. まず, 日頃気腹法で使用しているプラント・チップ・トラカールは, 先端のバルーンがラテックスであるため, 腹壁吊り上げ法に変更. 手術用手袋と尿道留置カテーテルもラテックスであったため, それを含まないものを選択した. その他, パスセーバーやウテリンマニピュレーターなど, 日頃使用している製品についても, ラテックスが含まれていないかメーカーに確認した. 一方, 麻酔関連では, 日常使用しているマスク, 挿管チューブ, バック, 蛇管は塩化ビニルであったが, 直腸温測定プローブのカバーがラテックスであったため, 皮膚温測定モジュールに変更. 駆血帯は塩化ビニルである点滴用ルートで代用した. 全身麻酔下, 腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術を行い, 術中アナフィラキシー症状は認めず, 無事手術を終えた. 【考察】ラテックスアレルギーに関する認識を深め, 手術予定患者への詳細な病歴聴取および, 日常使用している手術や麻酔など医療器具にラテックスを使用した製品がないか日頃から確認しておく必要がある. |
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ISSN: | 1884-9938 |