両側卵巣腫瘍に対する1.5孔式腹腔鏡手術の有用性について
【目的】両側卵巣腫瘍の腹腔鏡手術は, 一般的に内視鏡用の腹壁孔の他に2箇所以上の処置用腹壁孔を必要とする. 我々は, 腹壁の傷に関し美容的で女性にやさしい腹腔鏡手術を追求してきたが, 両側卵巣腫瘍に対しても極力小さく少ない腹壁孔 で手術を行なうことを心がけてきた. 今回, 1つの処置孔にて手術を行なう1.5孔式腹腔鏡手術を両側卵巣腫瘍に行ない良好な結果を得たので報告する. 【対象と方法】平成19年1月から平成20年12月までの間に当大学病院にて両側卵巣腫瘍の診断にて腹腔鏡手術が行なわれた80例について検討した. 症例の内訳は, チョコレート嚢腫48例, 成熟奇形種23例, その他の腫瘍7例,...
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Zusammenfassung: | 【目的】両側卵巣腫瘍の腹腔鏡手術は, 一般的に内視鏡用の腹壁孔の他に2箇所以上の処置用腹壁孔を必要とする. 我々は, 腹壁の傷に関し美容的で女性にやさしい腹腔鏡手術を追求してきたが, 両側卵巣腫瘍に対しても極力小さく少ない腹壁孔 で手術を行なうことを心がけてきた. 今回, 1つの処置孔にて手術を行なう1.5孔式腹腔鏡手術を両側卵巣腫瘍に行ない良好な結果を得たので報告する. 【対象と方法】平成19年1月から平成20年12月までの間に当大学病院にて両側卵巣腫瘍の診断にて腹腔鏡手術が行なわれた80例について検討した. 症例の内訳は, チョコレート嚢腫48例, 成熟奇形種23例, その他の腫瘍7例, 異なる腫瘍の組み合わせ2例であった. 皮下鋼線吊り上げ法を用い, 臍窩に5mm内視鏡用, 左右どちらかの下腹部に処置用腹壁孔を作成し手術を行なった場合を1.5孔式腹腔鏡手術, 左右2箇所に腹壁孔を作成した場合を2.5式とした. 一方, 従来のように臍窩に10mm内視鏡を用いた場合は, それぞれ2孔式, 3孔式とした. また, 臍窩に内視鏡用の腹壁孔を作成せず, 1つの腹壁孔のみで手術を行なった場合を1孔式とした. 手術は, 体外法を基本としたが, 腫瘍の大きさが小さかったり, 癒着したりして体外法が難しい場合は, 体内法により行なった. 【結果】腹腔鏡手術は, 47例は15孔式, 25例は2.5孔式, 8例はその他術式で行なわれた. これらのうち1つの処置孔で手術が行なわれたのは54例(67.5%)であり, 45例(83%)は卵巣腫瘍核出が行なわれた. 2.5孔式が行なわれたのは, 重症子宮内膜症や筋腫合併の症例が殆どであった. 【結論】1.5孔式腹腔鏡手術を用いることにより, 大部分の両側卵巣腫瘍症例に対し安全で腹壁創を最小限度に抑えた手術が可能であった. |
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ISSN: | 1884-9938 |