腹腔鏡手術における癒着防止材セプラフィルムの貼付法の工夫

体腔内の手術において, その術式により癒着強度に差があるものの, 予防処理を行わない場合は高頻度で術後癒着を形成する. 予防法には, 癒着防止材(ビアルロン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロース(以下セプラフィルム), TC-7:酸化再生セルロース膜など), 自己フィブリン, 腹被覆などが広く知られている. 当院では, 自己フィブリンがある場合を除き, 全例に癒着防止材による処理を施している. 癒着防止材はセプラフィルム・TC-7共に高い効果が報告されているが, 血液存在下ではその防止効果が異なるとも報告されている. 筋腫核出術のような術後にoozingをきたしやすい術式の場合は, 血液の存在...

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Hauptverfasser: 木林潤一郎, 石川哲也, 市原三義, 安藤直子, 齋藤佳実, 新城梓, 苅部瑞穂, 森岡幹, 奥田剛, 岡井崇
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:体腔内の手術において, その術式により癒着強度に差があるものの, 予防処理を行わない場合は高頻度で術後癒着を形成する. 予防法には, 癒着防止材(ビアルロン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロース(以下セプラフィルム), TC-7:酸化再生セルロース膜など), 自己フィブリン, 腹被覆などが広く知られている. 当院では, 自己フィブリンがある場合を除き, 全例に癒着防止材による処理を施している. 癒着防止材はセプラフィルム・TC-7共に高い効果が報告されているが, 血液存在下ではその防止効果が異なるとも報告されている. 筋腫核出術のような術後にoozingをきたしやすい術式の場合は, 血液の存在で予防効果に影響を受けにくいセプラフィルムが優位であると考えられる. しかし, 腹腔鏡手術ではセプラフィルムの貼付にはコツを要し, 修練を必要とする. 今回, 貼付においてアルコア社のハイドロコロイド被覆材(カラヤヘッシブ)の保護フィルムを併用した. このフィルムは表面に微小な突起構造を有しており, セプラフィルムが張り付きにくい特徴がある. また弾力性があるため, トロッカーから体腔内へ挿入した直後の伸展性が良く, 貼付作業が容易となる. これにより腹腔鏡手術でも比較的容易にセプラフィルムの貼付が可能となったため, 動画を用いて報告する.
ISSN:1884-9938