P-2007 卵巣子宮内膜症性嚢胞に対する腹腔鏡下保存手術後に発生した明細胞腺癌の1例

【緒言】卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)が卵巣癌に移行する症例の存在が示唆されている. 今回, 2回のチョコレート嚢胞に対する腹腔鏡下保蛍手術後に卵巣明細胞腺癌と診断された1例を経験したので報告する. 【症例】31歳, 未婚で妊娠歴なし. 既往歴, 家族歴に特記すべきことなし. 9年前にチョコレート嚢胞を有する月経困難症のため1回目の腹腔鏡手術を施行. 子宮内膜症III期(r-ASRM分類), 5cm大の右卵巣チョコレート嚢胞を摘出, 左卵巣は正常所見, 腹膜病変の電気焼灼および癒着剥離術を行った. 2年前に再発所見あり2回目の腹腔鏡手術施行. 子宮内膜症IV期, 左右とも4cm大のチ...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2008, Vol.24 (1), p.189-189
Hauptverfasser: 鈴木隆弘, 後藤優美子, 三塚加奈子, 中村絵里, 東郷敦子, 貴家剛, 平澤猛, 和泉俊一郎, 三上幹男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)が卵巣癌に移行する症例の存在が示唆されている. 今回, 2回のチョコレート嚢胞に対する腹腔鏡下保蛍手術後に卵巣明細胞腺癌と診断された1例を経験したので報告する. 【症例】31歳, 未婚で妊娠歴なし. 既往歴, 家族歴に特記すべきことなし. 9年前にチョコレート嚢胞を有する月経困難症のため1回目の腹腔鏡手術を施行. 子宮内膜症III期(r-ASRM分類), 5cm大の右卵巣チョコレート嚢胞を摘出, 左卵巣は正常所見, 腹膜病変の電気焼灼および癒着剥離術を行った. 2年前に再発所見あり2回目の腹腔鏡手術施行. 子宮内膜症IV期, 左右とも4cm大のチョコレート嚢胞に対する開窓電気焼灼術, 腹膜病変の電気焼灼および癒着剥離術を行った. 術後3ヶ月間GnRHa療法施行, 1年後より超音波検査上再発所見あり, その6ヶ月後には右卵巣から突出する様な腫瘤像が出現, 増大傾向(~8cm)を示し, MRI検査で造影効果を有した. CA125は123.7U/ml, CA199は109.0U/mlであった. 悪性を疑い, 開腹手術にて子宮全摘+両側付属器切除+大網切除+骨盤~傍大動脈リンパ節郭清術を施行した. 卵巣明細胞腺癌IIIc期と診断され, 現在TC療法施行中である. 【結語】卵巣子宮内膜症に対して腹腔鏡下保存手術を施行し, その後定期的にfollow upしていたもののIIIC期の卵巣癌に至った症例を経験した. 改めて管理の難しさとインフォームドコンセントの重要性を痛感した.
ISSN:1884-9938