P-1010 若年者に発生した卵管捻転の1例

【緒言】婦人科急性腹症の原因として付属器茎捻転は一般的であるが, 卵管のみの茎捻転は稀であり術前診断が難しい. また若年での発症例は少ない. 腹腔鏡下に確定診断および治療しえた症例を報告する. 【症例】15歳で性交経験がなく, 小学5年生より不登校であり適応障害の診断で内服加療中であった. 下腹痛のため近医受診し, 胃腸炎の診断にて内服薬を処方され経過観察となったが, 38℃台の発熱あり, 血液検査でWBC 11800/μl, CRP1.60mg/dlと炎症反応を認め, 経腹超音波検査および腹部CT上, 骨盤内腫瘤が確認されたため当院小児外科および産婦人科紹介受診に至った. 腹痛は右下腹部にほ...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2008, Vol.24 (1), p.171-171
Hauptverfasser: 後藤優美子, 鈴木隆弘, 佐藤茂, 中村絵里, 東郷敦子, 貴家剛, 和泉俊一郎, 三上幹男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】婦人科急性腹症の原因として付属器茎捻転は一般的であるが, 卵管のみの茎捻転は稀であり術前診断が難しい. また若年での発症例は少ない. 腹腔鏡下に確定診断および治療しえた症例を報告する. 【症例】15歳で性交経験がなく, 小学5年生より不登校であり適応障害の診断で内服加療中であった. 下腹痛のため近医受診し, 胃腸炎の診断にて内服薬を処方され経過観察となったが, 38℃台の発熱あり, 血液検査でWBC 11800/μl, CRP1.60mg/dlと炎症反応を認め, 経腹超音波検査および腹部CT上, 骨盤内腫瘤が確認されたため当院小児外科および産婦人科紹介受診に至った. 腹痛は右下腹部にほぼ限局, MRI検査上は骨盤内に径8cm大の嚢胞性腫瘤を認め, 内部はwater intensityであり, 右卵巣嚢腫茎捻転を疑い腹腔鏡を施行した. 腹腔内所見として, 大網が子宮および右付属器に癒着, 右卵管の腫大と捻転を認めたものの右卵巣と左付属器は正常所見であった. よって右卵管捻転と診断, 右卵管は壊死所見強く温存不可能と判断した. 腹腔鏡下に右卵管のみ切除し, 右卵巣は温存できた. 病理学的には著明な壊死と出血の所見を認め, 悪性所見はなかった. 術後経過は良好であり, 3日目に退院した. 【結語】若年者に発症した卵管捻転を経験した. 術前診断は困難であったが, 低侵襲である腹腔鏡下手術により, 確定診断と治療が可能であった.
ISSN:1884-9938