O-1313 十分な子宮中隔切除および子宮腔癒着剥離のために~術中子宮腔造影を用いた子宮鏡下手術

【目的】中隔子宮や子宮腔癒着症に対して, 治療として最近では低侵襲な子宮鏡を用いた手術治療が行なわれている. しかし, 子宮穿孔などの合併症や不十分な剥離, 切除による癒着, 中隔の遺残が発生する事がある. 我々は十分な中隔の切除, 癒着の剥離を可能とし, また合併症のリスクを軽減したより良い子宮鏡下手術を目指して, 術中子宮腔造影を併用した子宮鏡手術を行なっているので, その方法と成績について報告する. 【方法】対象は2000年から2007年の間に不妊・不育症を主訴に来院し, 術前検査で中隔子宮と診断された8例と, 子宮腔癒着と診断された11例である. これらの症例に子宮鏡下に手術を行なう際...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2008, Vol.24 (1), p.103-103
Hauptverfasser: 逸見博文, 東口篤司, 高階俊光, 斎藤学
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】中隔子宮や子宮腔癒着症に対して, 治療として最近では低侵襲な子宮鏡を用いた手術治療が行なわれている. しかし, 子宮穿孔などの合併症や不十分な剥離, 切除による癒着, 中隔の遺残が発生する事がある. 我々は十分な中隔の切除, 癒着の剥離を可能とし, また合併症のリスクを軽減したより良い子宮鏡下手術を目指して, 術中子宮腔造影を併用した子宮鏡手術を行なっているので, その方法と成績について報告する. 【方法】対象は2000年から2007年の間に不妊・不育症を主訴に来院し, 術前検査で中隔子宮と診断された8例と, 子宮腔癒着と診断された11例である. これらの症例に子宮鏡下に手術を行なう際に, 子宮内操作の進行状況をリアルタイムにみるため, 水溶性造影剤を手動で注入し, テレビ撮影装置通称C-アームを用いて, 術中に3~4回子宮腔造影を行い, 十分に中隔切除, あるいは癒着剥離を行なった. 中隔切除や重度の癒着剥離操作は腹腔鏡下に, 子宮穿孔の有無を確認しながら行なった. また, 術後の子宮腔癒着防止目的に子宮内に自家製のシリコンプレートを挿入し, Kaufmann療法を2クール施行し, 全例にセカンドルック子宮鏡検査を行なった. 【結果】中隔を切除した8例中1例に軽度の子宮腔癒着所見が認められたが, その他の症例には異常所見はなかった. この症例は同様に術中造影を併用して, 子宮鏡下癒着剥離術を行ない, 正常な子宮腔となった. 4例が妊娠し, 生児を得ることに成功した. 子宮腔癒着を剥離した11例中2例に子宮腔再癒着が認められ, 子宮内膜が薄い症例が8例あった. 6例が妊娠し, 生児を得ることに成功した. また, 術中に子宮穿孔は1例もなかった. 【結論】術中子宮腔造影は十分に中隔を切除可能とするとともに子宮内操作による子宮穿孔を防止するための安全な方法であると考えられる
ISSN:1884-9938