腹腔鏡下手術により診断した卵巣外原発性腹膜癌の1症例

「緒言」女性が腹水細胞診で癌細胞が陽性となった場合, 子宮頚部癌, 子宮体部癌, 卵巣癌, 卵管癌, 消化器系癌, 泌尿器系癌, 乳癌, 肺癌などの転移性腹膜癌1)と原発性腹膜癌を鑑別しなければならない. 転移性腹膜癌は原発癌を精査し原発癌と癌組織が一致したときに診断される. 原発性腹膜癌は, 細胞診または組織診により悪性中皮腫, 上皮性癌, 悪性リンパ腫, 胚細胞性腫瘍などに鑑別される2). これらは, 細胞診で診断が可能なときもあるが, 多くは組織診と免疫組織化学検査を必要とする3-5). 原発性上皮性腹膜癌は, 一般的に卵巣外原発性腹膜癌(Extraovarian primary per...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2007, Vol.23 (1), p.193-197
Hauptverfasser: 坂本能基, 中西俊一郎, 内田学
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」女性が腹水細胞診で癌細胞が陽性となった場合, 子宮頚部癌, 子宮体部癌, 卵巣癌, 卵管癌, 消化器系癌, 泌尿器系癌, 乳癌, 肺癌などの転移性腹膜癌1)と原発性腹膜癌を鑑別しなければならない. 転移性腹膜癌は原発癌を精査し原発癌と癌組織が一致したときに診断される. 原発性腹膜癌は, 細胞診または組織診により悪性中皮腫, 上皮性癌, 悪性リンパ腫, 胚細胞性腫瘍などに鑑別される2). これらは, 細胞診で診断が可能なときもあるが, 多くは組織診と免疫組織化学検査を必要とする3-5). 原発性上皮性腹膜癌は, 一般的に卵巣外原発性腹膜癌(Extraovarian primary peritoneal carcinoma:以下EOPPC)と呼称される. EOPPCの大半が漿液性腺癌であるが, 他の上皮性癌も含まれる6). Gynecology Oncology Group(以下GOG)が1993年に提唱した診断基準(表1)7)は漿液性腺癌のみを対象としているが, EOPPCの診断はこれに準じて行われる. EOPPCの中で腹膜原発乳頭状漿液性腺癌(Papillary Serous AdenoCarcinoma of the Peritoneum:以下PSCP)は, 乳頭状漿液性卵巣癌(Papillary Serous Ovarian Carcinoma:以下PSOC)および子宮内膜漿液性腺癌(Uterine Papillary Serous Carcinoma:以下UPSC)と組織像が類似もしくは同一であるため, 特に鑑別が重要となる.
ISSN:1884-9938