当院における腹腔鏡下子宮筋腫核出術の後方視的解析

【緒言】婦人科疾患の中では代表的な良性腫瘍疾患である子宮筋腫は, 重度の月経困難症や貧血を惹起する過多月経を引き起こしたり, 不妊症の原因となる(1). 治療としては, 薬物による偽閉経療法の他に, 根治療法として子宮全摘術あるいは子宮温存療法として筋腫核出術というどちらも開腹術式が施行されてきた. 近年の晩婚化による未婚女性の増加に伴い, 子宮は温存しつつ筋腫のみ適除する筋腫核出術の希望が強くなってきている. そしてかつては開腹術であった筋腫核出術は内視鏡手術の進歩に伴い腹腔鏡下でも可能となった. 岡山赤十字病院では2001年より全ての操作を腹腔内で行う腹腔鏡下筋腫核出術(laparosco...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2007, Vol.22 (2), p.367-370
Hauptverfasser: 宮木康成, 高橋理子, 笏本朱理, 澤井秀秋, 江尻孝平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【緒言】婦人科疾患の中では代表的な良性腫瘍疾患である子宮筋腫は, 重度の月経困難症や貧血を惹起する過多月経を引き起こしたり, 不妊症の原因となる(1). 治療としては, 薬物による偽閉経療法の他に, 根治療法として子宮全摘術あるいは子宮温存療法として筋腫核出術というどちらも開腹術式が施行されてきた. 近年の晩婚化による未婚女性の増加に伴い, 子宮は温存しつつ筋腫のみ適除する筋腫核出術の希望が強くなってきている. そしてかつては開腹術であった筋腫核出術は内視鏡手術の進歩に伴い腹腔鏡下でも可能となった. 岡山赤十字病院では2001年より全ての操作を腹腔内で行う腹腔鏡下筋腫核出術(laparoscopic myomectomy, 以下LM)を導入した. 当院でのLM施行症例について, 後方視的に検討した結果を報告する. 【対象および方法】対象は, 2001年1月から2005年12月の期間において, 子宮筋腫を有する患者のうち, LMの適応と判断した33症例である. この判断基準は, 閉経前であること, 不正出血や貧血や月経痛など自他覚症状があること, 術前評価で癒着が無いこと, 直径10cm以上の筋腫では漿膜下筋腫であること, 頚部筋腫ではないこと, 粘膜下筋腫は経頚管切除術で不可能な場合に限ること, と規定した.
ISSN:1884-9938