P-1012 子宮鏡下手術(TCR)の前処置としての一相性低用量ピル(マーベロン21R)の有効性について

【緒言】子宮内膜ポリープや粘膜下子宮筋腫に対して行われる子宮鏡下手術(TCR)においては, 月経終了直後の子宮内膜が薄い早期増殖期が手術の理想時期と考えられている. しかし, 実際には病院のシステムや患者の都合により, 必ずしも適切な月経周期で手術が施行できるとは限らない. TCRの術前処置として一般的に行われるGn-RH agonistの投与効果としては, 腫瘤の縮小の他, 子宮内膜や血管の萎縮があり, これは出血しやすい子宮腔内の手術において良好な視野を確保する重要なポイントである. 今回, TCRの前処置として一相性低用量ピル(マーベロン21R)を投与し, その有効性について検討した....

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2007, Vol.22 (2), p.350-350
Hauptverfasser: 高島明子, 大高究, 石田洋昭, 斉藤麻由美, 安田豊, 川島秀明, 斉藤智博, 深谷暁, 矢野ともね, 木下俊彦, 臼井彰, 久保春海
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】子宮内膜ポリープや粘膜下子宮筋腫に対して行われる子宮鏡下手術(TCR)においては, 月経終了直後の子宮内膜が薄い早期増殖期が手術の理想時期と考えられている. しかし, 実際には病院のシステムや患者の都合により, 必ずしも適切な月経周期で手術が施行できるとは限らない. TCRの術前処置として一般的に行われるGn-RH agonistの投与効果としては, 腫瘤の縮小の他, 子宮内膜や血管の萎縮があり, これは出血しやすい子宮腔内の手術において良好な視野を確保する重要なポイントである. 今回, TCRの前処置として一相性低用量ピル(マーベロン21R)を投与し, その有効性について検討した. 【対象・方法】2006年1月から11月の間に当院及び関連施設においてTCRを予定した子宮内膜ポリープ28例と粘膜下筋腫12例を対象に, 月経初日から低用量ピルを投与し, 服用2周期目の周期日数の異なる日にTCRを行い, その術中所見を検討した. 【結果】手術日は月経7~21日目に設定された. 本来, 子宮内膜が浮腫状を呈する分泌期においても子宮内膜の肥厚は認めず, スコープやループの接触による術中出血も殆ど無く, 常に良好な手術視野が確保され, 全例手術が円滑に施行可能であった. 【考察】一相性低用量ピルの投与により, 子宮内膜の安定した周期調節が得られ, 月経終了後から次回月経までの幅広い期間でTCRを計画することが可能であった. 術前処置としてGn-RH agonistを術前処置に使用する場合は比較的長期の投与が必要となり, 卵巣機能抑制作用も懸念されるため, 本法は特に不妊症例には有効と考えられた.
ISSN:1884-9938