O-1063 子宮鏡下に診断した胎盤遺残の7症例
分娩・流産後, 癒着等による胎盤遺残例に遭遇することは稀ではない. 胎盤遺残の診断は, 超音波検査による診断後, 胎盤鉗子による全面掻爬が行われることが多い. 付着胎盤であれば, 鉗子による掻爬により胎盤の除去は可能であるが, 癒着胎盤等では, 胎盤の完全な除去は困難で, むしろ強出血を来す可能性がある. 従って, 胎盤遺残が疑われるような症例では, 予め診断的子宮鏡を行うことが望ましい. 我々は, 現在までの18年間に, 7例(8周期)の胎盤遺残例を経験し, 子宮鏡下に確認後, 根治的治療を行った. 平均年齢は, 31.6歳で, 既往妊娠回数は平均2.9回, 最多妊娠回数は5回で, 未妊例は...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2007, Vol.22 (2), p.338-338 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 分娩・流産後, 癒着等による胎盤遺残例に遭遇することは稀ではない. 胎盤遺残の診断は, 超音波検査による診断後, 胎盤鉗子による全面掻爬が行われることが多い. 付着胎盤であれば, 鉗子による掻爬により胎盤の除去は可能であるが, 癒着胎盤等では, 胎盤の完全な除去は困難で, むしろ強出血を来す可能性がある. 従って, 胎盤遺残が疑われるような症例では, 予め診断的子宮鏡を行うことが望ましい. 我々は, 現在までの18年間に, 7例(8周期)の胎盤遺残例を経験し, 子宮鏡下に確認後, 根治的治療を行った. 平均年齢は, 31.6歳で, 既往妊娠回数は平均2.9回, 最多妊娠回数は5回で, 未妊例は1例のみであった. 胎盤遺残の契機は, 初期流産・中絶後が4周期, 中期が2周期, 後期が2周期であった. 8例中5例は子宮鏡下切除術を, 2例は腟式子宮全摘術, 残り1例は, 出血性ショックのため, 腹式子宮全摘術を行った. 挙児を希望した3例中2例が再度妊娠した. 連続2回胎盤遺残の症例は, 34歳, 5妊3産の女性である. 1回目は, 妊娠9週で不全流産となった. その後出血が持続したため, 子宮鏡下に胎盤遺残を確認後, 同組織を切除した. 2回目, 2年半後再度妊娠したが, 患者にその認識はなかった. 不正出血が続き, 子宮鏡下に再度本症を確認後, 挙児希望もないため, 腟式子宮全摘術を施行した. 以上より, 1. 頻回の妊娠により胎盤遺残のリスクが高まる, 2. 前期・中期の医療操作が胎盤遺残の誘因となり易い, 3. 原因として癒着胎盤が多い, 4. 盲目的な子宮内腔掻爬術は, 強出血の原因となりやすい, 5. 子宮鏡により, 容易に低侵襲の確定診断が可能である, 6. 子宮鏡下胎盤切除術が極めて有効が治療手段である, ことを明らかにした. |
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ISSN: | 1884-9938 |