腹腔鏡を用い非移植式腟形成を行ったMayer-Rokitansky-Kuster(-Hauser)症候群の一例
Mayer-Rokitansky-Kuster(-Hauser)症候群(MRK症候群)は, 1961年にHauserらによって詳細が報告された機能性子宮のない腟欠損症である. 治療には様々な方法が用いられているが, 今回術前にプロテーゼによる圧伸法を行い, 腹腔鏡補助下に何らの移植も行わず腟形成を行った症例を経験したので報告する. 【症例】28歳, 女性. 17歳の時に無月経で受診し, 腟欠損を指摘されたが, 無治療にて経過していた. 今回治療希望のため, 当院を受診した. 来院時所見:腟は閉鎖し, 超音波にて約1.5cmの痕跡子宮を認めていた. その他, 外陰部, 泌尿器系などに異常は認めな...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | Mayer-Rokitansky-Kuster(-Hauser)症候群(MRK症候群)は, 1961年にHauserらによって詳細が報告された機能性子宮のない腟欠損症である. 治療には様々な方法が用いられているが, 今回術前にプロテーゼによる圧伸法を行い, 腹腔鏡補助下に何らの移植も行わず腟形成を行った症例を経験したので報告する. 【症例】28歳, 女性. 17歳の時に無月経で受診し, 腟欠損を指摘されたが, 無治療にて経過していた. 今回治療希望のため, 当院を受診した. 来院時所見:腟は閉鎖し, 超音波にて約1.5cmの痕跡子宮を認めていた. その他, 外陰部, 泌尿器系などに異常は認めなかった. 【経過】まずプロテーゼを使用して潜在的腟腔に沿って圧伸を行い, 5ヶ月後の手術時には約3-4cmの伸展を認めた. 手術は腟入口部の腟粘膜に切開を加え, クーパーにて結合織を切断し剥離した. 両示指にて剥離拡張をダグラス窩まですすめ, 腹腔鏡下に痕跡子宮を確認し, 鉗子にて腟盲端部まで誘導した. 腟断端部に切開を加え, 子宮を断端部に縫合し, 腟腔内面を特別に被覆する処置を行わず, プロテーゼを挿入し手術終了とした. 術後経過は良好であり, 退院時には腟腔内面のフィブリン沈着が確認された. 現在外来経過観察中である. 【結語】MRK症候群は思春期に発見されることが多く, 治療時期や方法に配慮が必要である. 腹腔鏡を用いることにより, 安全に腟形成を行うことが可能であることを示すとともに, 非移植的治療法の経過を報告する. |
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ISSN: | 1884-9938 |