当科における非対称性子宮奇形に関する検討
【目的】重複子宮や双角子宮などのミューラー管癒合不全に起因する子宮奇形のなかで, 左右のミューラー管の非対称的な形成不全を有する例を非対称性子宮奇形と定義し, その臨床的特徴をretrospectiveに検討する. 【方法】1996年4月から2006年4月までに当科で腹腔鏡検査を施行し, 非対称性子宮奇形と考えられた15例を対象とした. カルテ記録および手術時のビデオを再検討し, 子宮奇形の形態と臨床経過との関連を検討した. 【成績】15例中, 重複子宮あるいは完全中隔子宮で重複腟(腟中隔)の片側閉塞による腟留血腫を合併したものが6例, 副角子宮を有する単角子宮が4例, 重複子宮の片側頸管留血...
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Zusammenfassung: | 【目的】重複子宮や双角子宮などのミューラー管癒合不全に起因する子宮奇形のなかで, 左右のミューラー管の非対称的な形成不全を有する例を非対称性子宮奇形と定義し, その臨床的特徴をretrospectiveに検討する. 【方法】1996年4月から2006年4月までに当科で腹腔鏡検査を施行し, 非対称性子宮奇形と考えられた15例を対象とした. カルテ記録および手術時のビデオを再検討し, 子宮奇形の形態と臨床経過との関連を検討した. 【成績】15例中, 重複子宮あるいは完全中隔子宮で重複腟(腟中隔)の片側閉塞による腟留血腫を合併したものが6例, 副角子宮を有する単角子宮が4例, 重複子宮の片側頸管留血腫を呈するWunderlich症候群が1例, 重複子宮で片側の頸部低形成が1例, 双角子宮に交通性ガートナー嚢胞を併発したHerlyn-Werner症候群が1例, 左右差のある双角子宮が2例であった. これら奇形は, 閉塞型(n=9)と非閉塞型(n=6)に大別され, 閉塞型では, 初経後に増強する月経痛があり, 瘻孔等の交通性を有する例では, 不正出血や膿性帯下を主訴とし, 初診時年齢が若く(12~16歳), 6例で内膜症を合併していた. 非閉塞型では, 初診時年齢は様々で(18~41歳), 妊娠を契機に発見される例が2例あり, 4例に内膜症を合併していた. 15例中13例で低形成側の尿路欠損が認められた. 全例で術前MRIによる評価を行ったのち, 腹腔鏡検査を行い, MRIと腹腔鏡検査は診断および治療方針の決定に有用であった. 【結論】非対称性子宮奇形は, 閉塞型と非閉塞型に大別され, 閉塞型は初経後増強する月経痛を主訴とする若年者に多く, これらの例では, 低侵襲な外科的治療を選択するために, MRIや腹腔鏡検査が診断および治療方針決定に有用である. |
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ISSN: | 1884-9938 |