IVF-ET後の子宮内外同時妊娠に対し, 腹腔鏡下卵管切除術を行い, 妊娠を継続しえた一例
【緒言】近年, 生殖補助医療の普及により子宮内外同時妊娠の症例が増加しつつある. 今回, 妊娠初期の超音波断層法にて子宮内外同時妊娠を診断し, 腹腔鏡下卵管切除術を施行し妊娠を継続しえた一例を経験したので文献考察を含め報告する. 【症例】32歳原発性不妊. 平成17年12月, 前医にてIVF-ETを施行(2個の胚盤胞を移植). 妊娠6週, 子宮内及び右卵管に胎児心拍を伴う胎嚢を認めたため, 子宮内外同時妊娠の治療目的に当科を紹介受診. 全身状態は良好で, 下腹部痛, 付属器の圧痛, 性器出血を認めなかった. 確定診断のため, 皮下鋼線吊り上げ法による腹腔鏡下手術を施行した. 腹腔内出血は極めて...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【緒言】近年, 生殖補助医療の普及により子宮内外同時妊娠の症例が増加しつつある. 今回, 妊娠初期の超音波断層法にて子宮内外同時妊娠を診断し, 腹腔鏡下卵管切除術を施行し妊娠を継続しえた一例を経験したので文献考察を含め報告する. 【症例】32歳原発性不妊. 平成17年12月, 前医にてIVF-ETを施行(2個の胚盤胞を移植). 妊娠6週, 子宮内及び右卵管に胎児心拍を伴う胎嚢を認めたため, 子宮内外同時妊娠の治療目的に当科を紹介受診. 全身状態は良好で, 下腹部痛, 付属器の圧痛, 性器出血を認めなかった. 確定診断のため, 皮下鋼線吊り上げ法による腹腔鏡下手術を施行した. 腹腔内出血は極めて少量であった. 両側付属器に癒着は認められなかったが, 子宮後壁と直腸に強固に癒着し, ダグラス窩は完全に閉塞していた. 左卵管には特記すべき所見はなかったが, 右卵管は腫大していた. 腹腔鏡下に切除された卵管の膨大部に妊娠組織を認めた. 子宮内胎児が順調に発育していることを確認し, 術後9日目に退院した. 現在妊娠20週である. 【考察】今回, 子宮内外同時妊娠に対し, 妊娠子宮に与える影響を最小限にするため, 気腹法でなく皮下鋼線吊り上げ法を用いて腹腔鏡下卵管切除術を施行した. 現在のところ, 妊娠経過は順調である. 不妊治療, 特にIVF-ETによる妊娠では, 子宮内に正常な胎嚢を認め, 出血や腹痛等の症状を伴わない場合でも, 子宮外妊娠の合併を常に念頭において診療し, 早期診断に努めることが大切である. |
---|---|
ISSN: | 1884-9938 |