卵管間質部妊娠を伴った子宮内外同時妊娠に対し, 腹腔鏡下手術を施行した一例
近年の生殖補助技術の普及により, 以前は稀であった子宮内外同時妊娠に遭遇することがめずらしくなくなった. 今回われわれは卵管間質部妊娠を伴った子宮内外同時妊娠に腹腔鏡下手術を施行した症例を経験した. 症例は35歳2G0P. 25歳時に左卵管妊娠のため開腹による左卵管切除術の既往がある. 今回卵管因子の適応で体外受精を施行され2個の胚移植にて妊娠が成立した. 妊娠6週3日に卵管間質部妊娠を伴った子宮内外同時妊娠を疑われ当科紹介となった. 初診時, 子宮内および左間質部と思われる部位に心拍を伴う胎芽を確認した. 十分説明のうえ妊娠7週4日に全身麻酔で気腹法による腹腔鏡下手術を施行した. 腹腔内出血...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 近年の生殖補助技術の普及により, 以前は稀であった子宮内外同時妊娠に遭遇することがめずらしくなくなった. 今回われわれは卵管間質部妊娠を伴った子宮内外同時妊娠に腹腔鏡下手術を施行した症例を経験した. 症例は35歳2G0P. 25歳時に左卵管妊娠のため開腹による左卵管切除術の既往がある. 今回卵管因子の適応で体外受精を施行され2個の胚移植にて妊娠が成立した. 妊娠6週3日に卵管間質部妊娠を伴った子宮内外同時妊娠を疑われ当科紹介となった. 初診時, 子宮内および左間質部と思われる部位に心拍を伴う胎芽を確認した. 十分説明のうえ妊娠7週4日に全身麻酔で気腹法による腹腔鏡下手術を施行した. 腹腔内出血は無く右卵巣卵管には異常をみとめなかった. 左卵管は既に切除されており, 左子宮角周囲の癒着をみとめた. また左子宮角の腫大があり左卵管間質部妊娠であることを確認した. まず腹腔鏡下に癒着剥離とし腫大した子宮角を遊離させた. 引き続き同部位にエンドループを二回使用し二重結紮を加え, 左間質部を虚血状態とし, 経腟エコーにて間質部妊娠の胎嚢の変形と胎芽心拍の消失を確認した. その後切開を加え内容を吸引し, 吸引と同時にエンドループによる結紮を追加した. 手術時間79分, 術中出血は少量であった. 術後経過に異常をみとめず現在妊娠経過は順調である. バゾプレシンやMTXを使用することなく腹腔鏡下手術が完遂できた. 本症例に施行した術式は子宮への負担が最小限であり子宮内妊娠への影響が少なかったと考えているが問題点もあると思われ, 当日は術中ビデオを供覧し文献的考察を加え報告する. |
---|---|
ISSN: | 1884-9938 |