小児の卵管水腫茎捻転の経験

小児の卵管水腫茎捻転を経験したので報告する. 【現病歴】11歳女児, 既往歴特になし, 月経はまだない. 母親の話では半年前から時々下腹部痛あったとのこと. 3月に交換留学生としてアイルランドに2週間ホームステイしている. 4/5夜から突然右下腹部通出現, 4/6前医(外科)受診し虫垂炎疑いで入院となるも炎症反応上昇認めず. 腹部CTで右卵巣嚢腫認め4/10近隣の産婦人科紹介受診. 卵巣嚢腫茎捻転疑いで4/11当科紹介受診. 143.7cm, 35.2kg【入院後経過】右下腹部を中心に圧痛, 反跳痛あり, 腸蠕動音良好. 経腹エコーで右付属器に48~50mmの多胞性腫瘤と子宮周囲のEFS認め,...

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Hauptverfasser: 舩山由有子, 藤本久美子, 片平敦子, 高津政臣
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:小児の卵管水腫茎捻転を経験したので報告する. 【現病歴】11歳女児, 既往歴特になし, 月経はまだない. 母親の話では半年前から時々下腹部痛あったとのこと. 3月に交換留学生としてアイルランドに2週間ホームステイしている. 4/5夜から突然右下腹部通出現, 4/6前医(外科)受診し虫垂炎疑いで入院となるも炎症反応上昇認めず. 腹部CTで右卵巣嚢腫認め4/10近隣の産婦人科紹介受診. 卵巣嚢腫茎捻転疑いで4/11当科紹介受診. 143.7cm, 35.2kg【入院後経過】右下腹部を中心に圧痛, 反跳痛あり, 腸蠕動音良好. 経腹エコーで右付属器に48~50mmの多胞性腫瘤と子宮周囲のEFS認め, 卵巣嚢腫茎捻転疑い同日入院. 入院後の採血でCRP1.09, WBC8800と軽度上昇. MRIで右卵巣は正常描出され, 右卵管が腫大屈曲して内部に血腫ではない液体貯留を認めた. 卵管壁の増強効果はなく卵管水腫茎捻転を疑い同日腹腔鏡施行. 子宮は未熟で両側卵巣は正常, 腹水の貯留と右卵管膨大部の腫大および捻転を認めた. 左卵管は異常所見なし. 子宮, 付属器と周囲との癒着は認めず. 卵管が骨盤漏斗靭帯からフリーになる境界部分と卵管采が時計回りに2回転捻転し, 遠位側は紫色に変色, 捻転解除後も改善兆候なく腹腔鏡下に卵管摘出術施行. 卵管水腫の内容液は少量, 透明で, 細菌培養で一般細菌, 嫌気性菌ともに検出されなかった. 病理組織検査では卵管に炎症所見はなく, ほぼ純粋な循環障害による出血や壊死性変化が加わっているのみであった. 術後経過順調で4/15退院. 【考察】卵管水腫は感染が主な原因であるが, 本症例では細菌が検出されず病理でも炎症所見は認めなかった. 半年前から下腹部痛を認めていたため, 以前に発症した卵管水腫が今回何らかのきっかけで捻転した可能性がある.
ISSN:1884-9938