当科における子宮鏡手術の検討

【目的】子宮鏡手術は狭い子宮内腔にできた病変を直視下で操作でき, 身体への侵襲が少なく短期間で日常生活へ復帰することが可能である. 一方で子宮鏡手術特有の合併症も起こり得る. 今回当院で施行した子宮鏡手術について検討を行った. 【方法】対称は2000年1月から2005年12月までに当院で行った66例の子宮鏡手術症例である. その内訳は粘膜下筋腫摘出術25例, 有茎性粘膜下筋腫切出術13例, 内膜ポリープ切除術26例, 腹腔鏡を併用した子宮中隔切除術2例であった. 【結果】粘膜下筋腫摘出術を受けた患者の平均年齢は41.0±7.1才, 主訴は過多, 過長月経が13例で最も多かった. 粘膜下筋腫の直...

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Hauptverfasser: 金子透子, 千田裕美子, 山本憲子, 清水久美子, 伊澤美彦, 田巻勇次
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】子宮鏡手術は狭い子宮内腔にできた病変を直視下で操作でき, 身体への侵襲が少なく短期間で日常生活へ復帰することが可能である. 一方で子宮鏡手術特有の合併症も起こり得る. 今回当院で施行した子宮鏡手術について検討を行った. 【方法】対称は2000年1月から2005年12月までに当院で行った66例の子宮鏡手術症例である. その内訳は粘膜下筋腫摘出術25例, 有茎性粘膜下筋腫切出術13例, 内膜ポリープ切除術26例, 腹腔鏡を併用した子宮中隔切除術2例であった. 【結果】粘膜下筋腫摘出術を受けた患者の平均年齢は41.0±7.1才, 主訴は過多, 過長月経が13例で最も多かった. 粘膜下筋腫の直径は22.2±6.4mm, 手術時間は36.7±20.3分. 術前にGnRHを使用した症例は5例(20%), 粘膜下筋腫の最大径が内腔に出ていない症例は4例, 術後筋腫の残存があった症例は1例のみであった. 挙児希望のあった3例は術後いずれも妊娠した. 有茎粘膜下筋腫切出術を受けた患者の平均年齢は44.9±9.4才, 主訴は不正出血6例, 過多, 過長月経5例, 貧血2例. 筋腫の長径は37.6±12.5mm, 手術時間は30.5±18.9分であった. 筋腫の残存と腺筋症を合併していた1例は後に子宮全摘術を施行した. 子宮内膜ポリープ切除術を受けた患者の平均年齢は37.4±6.4才, 主訴は不妊が16例と最も多く, 不正出血が4例, 流産後出血が2例. ポリープの長径は16.6±7.1mm, 手術時間は19.9±12.4分. 挙児希望のあった18例のうち術後半年以上経過観察できた13例中7例が妊娠(53.9%). また, 流産後出血の原因となった胎盤ポリープの2例については子宮鏡が診断, 治療に有効であった. 子宮中隔切除術は2例で術後いずれも妊娠したが, 1例は初期流産, 1例は帝王切開の際胎盤剥離が困難であった. いずれの手術においても水中毒や子宮穿孔といった子宮鏡手術にかかわる合併症はみられなかった. 【考察】子宮鏡手術は, 合併症の予防に留意しつつ行えば大変有効な手段であると考えられた.
ISSN:1884-9938