当院における腹腔鏡下手術の現況について

当施設は兵庫県尼崎市に位置し産婦人科病床は40床を有する比較的中規模の病院である. 当院では1992年, 昭和62年ごろから腹腔鏡下検査を行っており, 治療の応用として2000年(平成12年)より腹腔鏡下手術を導入し症例数は350例を越えるにいたった. 現在では良性の卵巣腫瘍, 子宮筋腫, 子宮腺筋症, 子宮外妊娠, 卵巣出血, 下腹部痛などの診断, 不妊症の原因検索などを対象に腹腔鏡を行っているそこで, 2000年1月1日から2005年12月31日までの過去6年間の当院における開腹, 鏡視下手術の手術件数の年次変化, 疾患別割合, 術中, 術後合併症などについて検討したので報告する. 手術件...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 青木卓哉, 西村麻由, 辻野太郎, 藤本美樹, 塩田麻理, 角井和代, 武内享介, 濱西正三
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:当施設は兵庫県尼崎市に位置し産婦人科病床は40床を有する比較的中規模の病院である. 当院では1992年, 昭和62年ごろから腹腔鏡下検査を行っており, 治療の応用として2000年(平成12年)より腹腔鏡下手術を導入し症例数は350例を越えるにいたった. 現在では良性の卵巣腫瘍, 子宮筋腫, 子宮腺筋症, 子宮外妊娠, 卵巣出血, 下腹部痛などの診断, 不妊症の原因検索などを対象に腹腔鏡を行っているそこで, 2000年1月1日から2005年12月31日までの過去6年間の当院における開腹, 鏡視下手術の手術件数の年次変化, 疾患別割合, 術中, 術後合併症などについて検討したので報告する. 手術件数は, 2001年には87例と良性疾患に対する開腹手術より多い手術件数となったが, その後, 術者の異動や適応疾患の選別を行ったため, 症例数としては減少し2005年は49例となった. 症例数の最も多い2001年に合併症の割合はピークを示したが, 術前診断として内診や経膣超音波断層法などを行い癒着の程度を適切に評価し腹腔鏡下手術の適応を決定すること, および技術の向上, リガーシュアーTM, ナイアガラTMといった器材類の充実により症例数に対する合併症の割合は減少傾向を示した. 今後もstep by stepの技術に応じた手術適応を選択肢, 術式の簡素化などにより腹腔鏡下手術時間の短縮をはかることが今後の課題であり, その結果として, 安全な腹腔鏡下手術を多くの方に提供することが可能になると思われる.
ISSN:1884-9938