婦人科内視鏡下手術における術前経口抗菌薬投与の試み

【目的】我々は腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術における術前経口抗菌薬投与について検討し, ニューキノロンの経口投与は第2世代セフェムないしはペニシリン系抗生剤静脈内投与に匹敵する感染予防効果をもつ可能性を昨年の本学会において報告した. 今回, 更に投与を術前のみに短縮しうるか否かについての検討を目的とした. 【方法】対象は2004年3月より2006年4月までに日本大学板橋病院婦人科において内視鏡下手術行った患者を対象とした. 抗菌薬levofloxacin(LVFX)200mgを術前日夕方と手術当日朝の2回投与した群(7例)と, 第2世代セフェムないしはペニシリン系抗生剤を手術当日術前より12時間ごとに...

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Hauptverfasser: 田村正明, 千島史尚, 平岩由紀子, 太田啓明, 椙田賢司, 山本範子, 高田眞一, 山本樹生
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】我々は腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術における術前経口抗菌薬投与について検討し, ニューキノロンの経口投与は第2世代セフェムないしはペニシリン系抗生剤静脈内投与に匹敵する感染予防効果をもつ可能性を昨年の本学会において報告した. 今回, 更に投与を術前のみに短縮しうるか否かについての検討を目的とした. 【方法】対象は2004年3月より2006年4月までに日本大学板橋病院婦人科において内視鏡下手術行った患者を対象とした. 抗菌薬levofloxacin(LVFX)200mgを術前日夕方と手術当日朝の2回投与した群(7例)と, 第2世代セフェムないしはペニシリン系抗生剤を手術当日術前より12時間ごとに2回静脈内投与した群(6例)において, 術後感染症の有無を検討し, 更に有熱期間, 白血球数, CRP値を比較した. 【結果】術後感染はLVFX経口投与群と, 抗生剤静脈内投与群の両群いずれにおいても認められなかった. 有熱期間はLVFX経口投与群1.85±0.69日, 抗生剤静脈内投与群は1.16±0.75日であり両群間に有意差は認められなかった(p=0.11). 術後1日, 4日の白血球数はLVFX経口投与群8786±1729/μl, 5986±1657/μlであり, 抗生剤静脈内投与群, 8042±1937/μl, 48561±237/μlであり両群間に有意差は認められなかった(p=0.47, p=0.20). 術後4日のCRP値はLVFX経口投与群0.58±0.73mg/dl, 抗生剤静脈内投与群, 0.31±0.30mg/dlであり両群間に有意差は認められなかった(p=0.84). 【考察】婦人科領域の内視鏡下手術においてニューキノロンの術前経口投与法は第2世代セフェム(CMZ)ないしはペニシリン系抗生剤術前静脈内投与に匹敵する感染予防効果をもつ可能性がある.
ISSN:1884-9938