腹腔鏡下手術における腹腔内異物の二症例
腹腔鏡下手術において使用した器具の腹腔内飛散や予期しない異物が混入することはまれではあるが術後のトラブルを回避するためにも適切な対応が必要である. 今回我々は手術時に使用したクリップが飛散し腹部単純X線検査下に回収できた症例と予期せぬ異物が混入するもDVDで確認し無事回収できた症例を経験したので報告する. 【症例1】38歳, 不妊手術(両側卵管結紮術)後の卵管形成術希望にて当科受診, 両側卵管閉塞の診断にて腹腔鏡下卵管形成術施行した. 手術中に卵管縫合糸が互いに絡み合わないように留める目的で血管クリップを使用した. 縫合糸を留める操作をおこなったが血管クリップは視野に存在しなかった. そのため...
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Zusammenfassung: | 腹腔鏡下手術において使用した器具の腹腔内飛散や予期しない異物が混入することはまれではあるが術後のトラブルを回避するためにも適切な対応が必要である. 今回我々は手術時に使用したクリップが飛散し腹部単純X線検査下に回収できた症例と予期せぬ異物が混入するもDVDで確認し無事回収できた症例を経験したので報告する. 【症例1】38歳, 不妊手術(両側卵管結紮術)後の卵管形成術希望にて当科受診, 両側卵管閉塞の診断にて腹腔鏡下卵管形成術施行した. 手術中に卵管縫合糸が互いに絡み合わないように留める目的で血管クリップを使用した. 縫合糸を留める操作をおこなったが血管クリップは視野に存在しなかった. そのため血管クリップの体内飛散を疑い腹部単純X線検査をおこなったところ飛散した血管クリップを確認した. X線透視下および直視下に確認しつつ血管クリップを回収した. 【症例2】30歳, 不妊治療希望し当科受診, 子宮卵管造影検査にて両側卵管閉塞を認めたため腹腔鏡下卵管形成術を施行した. 腹腔内洗浄中に洗浄管より異物が腹腔内に落下した. 術中に異物に相当する器具は使用していなかった. 記録媒体のDVDを再生し, 異物の落下を再確認したが腹部単純X線検査およびX線透視下にても異物は確認できなかった. 腹腔内の洗浄を繰り返した後, 異物を確認し回収した. 異物は腸管縫合等に用いる自動吻合器のステイプラーであった. 開腹手術に限らず腹腔鏡下手術においても想定外の器具の紛失や異物混入の可能性を念頭におき, 必要に応じて腹部単純X線検査やDVDでの確認が重要であると思われる. |
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ISSN: | 1884-9938 |