腹腔鏡(補助)下子宮全摘出術における子宮動脈処理方法の選択
【目的】腹腔鏡下子宮全摘出術または腹腔鏡補助下膣式子宮全摘出術において, 手術成否の大きな鍵を握る子宮動脈の処理方法の安全化, 簡略化, 適応拡大を試みた. 【方法】当科で2000年より2006年4月まで実施した腹腔鏡を用いた子宮摘出術合計147例に対して手術手技, 手術器具を工夫し子宮動脈の処理方法を変更, 多様化させ, 腹腔鏡手術の安全化, 簡略化, 適応拡大した. 【結果】結果:子宮動脈処理方法は, 膣式と腹腔鏡式に大別された. 膣式では, 特に大型筋腫に対して, 腹腔鏡下での子宮動脈へのアプローチが困難な場合でも子宮下部に筋腫がなければ血管シーリングシステムを用いて子宮動脈止血切断が可...
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Zusammenfassung: | 【目的】腹腔鏡下子宮全摘出術または腹腔鏡補助下膣式子宮全摘出術において, 手術成否の大きな鍵を握る子宮動脈の処理方法の安全化, 簡略化, 適応拡大を試みた. 【方法】当科で2000年より2006年4月まで実施した腹腔鏡を用いた子宮摘出術合計147例に対して手術手技, 手術器具を工夫し子宮動脈の処理方法を変更, 多様化させ, 腹腔鏡手術の安全化, 簡略化, 適応拡大した. 【結果】結果:子宮動脈処理方法は, 膣式と腹腔鏡式に大別された. 膣式では, 特に大型筋腫に対して, 腹腔鏡下での子宮動脈へのアプローチが困難な場合でも子宮下部に筋腫がなければ血管シーリングシステムを用いて子宮動脈止血切断が可能になった. 腹腔鏡式では, 子宮の形, 大きさ, 癒着の程度などにより前方アプローチ, 後方アプローチ, 側方アプローチを使い分けた. また, 症例によっては子宮動脈の単離切断はおこなわず, 血管シーリングシステム, 膣パイプを活用することで従来の腹式子宮全摘出術同様に基靱帯処理し, 手術を簡略化することも可能になった. 【考察】子宮動脈の処理方法が重要でありながらそのアプローチ方法が制限される腹腔鏡を用いた子宮摘出手術では, 症例の条件に合わせて機器, 手技を駆使することにより, 手術の安全化, 簡略化, 適応拡大が可能であることが示された. |
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ISSN: | 1884-9938 |