妊娠合併卵巣腫瘍に対する吊り上げ式腹腔鏡下手術(麻酔法と術後疼痛管理について)

妊娠合併卵巣腫瘍に対する吊り上げ式腹腔鏡下手術の手術方法及び麻酔法, 術後の疼痛管理について検討した. 1999年3月から2006年4月までに腹腔鏡下手術をおこなった妊娠合併卵巣腫瘍の18例を対象とした. 手術時の妊娠週数は妊娠8-11週:2例, 妊娠12-13週;13例, 妊娠14-15週;2例, 妊娠16週;1例であった. 卵巣腫瘍の最大径は55-110mm(平均71cm)で1例のみ両側性であった. 腹腔鏡は全例吊り上げ式(ラパロリフト)にて行い, 黄体嚢胞の捻転例1例では腹腔内での捻転解除を, 他の17例では腹腔内で内容吸引後, 腹腔外法にて腫瘍核出を行った. 18例中12例は臍部と下腹...

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Hauptverfasser: 児玉尚志, 佐野祥子, 谷本博利, 永井宣隆, 三田尾賢
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:妊娠合併卵巣腫瘍に対する吊り上げ式腹腔鏡下手術の手術方法及び麻酔法, 術後の疼痛管理について検討した. 1999年3月から2006年4月までに腹腔鏡下手術をおこなった妊娠合併卵巣腫瘍の18例を対象とした. 手術時の妊娠週数は妊娠8-11週:2例, 妊娠12-13週;13例, 妊娠14-15週;2例, 妊娠16週;1例であった. 卵巣腫瘍の最大径は55-110mm(平均71cm)で1例のみ両側性であった. 腹腔鏡は全例吊り上げ式(ラパロリフト)にて行い, 黄体嚢胞の捻転例1例では腹腔内での捻転解除を, 他の17例では腹腔内で内容吸引後, 腹腔外法にて腫瘍核出を行った. 18例中12例は臍部と下腹部(ラップデスクミニ)の2孔にて手術を行ったが, 腫瘍をダグラス窩から引きだすことが困難であった6例ではさらに1-2本の5mmトロッカーを必要とし, 3例では内診指による後腟円蓋の押し上げを必要とした. 手術所要時間は40-127分(平均68分)であった. 麻酔は16例において硬膜外+脊椎麻酔にて行ったが, このうち15例は覚醒状態で手術を行い, 術中の鎮静剤使用は1例のみであった. また, 不安の強かった1例と妊娠16週の1例では硬膜外+全身麻酔にて手術を行った. 術後の疼痛管理には18例中16例でPCEA(patient controlled epidural analgesia)(塩酸ブピバカイン2例, 塩酸ロピバカイン14例)を用いたが塩酸ブピバカイン使用例2例とPCEA未使用例1例では鎮痛剤の投与が必要であった. 子宮収縮抑制剤は術前および術後2-3日間の塩酸イソクスプリンもしくは塩酸リトドリンの投与を行ったが術後に出血などの流産兆候を認めた症例はなかった. 以上より, 妊娠合併卵巣腫瘍に対して, 吊り上げ式腹腔鏡下手術, 脊椎麻酔(硬膜外麻酔), 術後のPCEAによる疼痛管理により, より低侵襲な手術が可能であると思われた.
ISSN:1884-9938