卵巣嚢腫に対する新しい手術システムの提案 Laparoscopically and Ultrasonographically Supported Vaginal Ovarian Cystectomy(LUSVOC)
【目的】現在, 卵巣嚢腫の大半は腹腔鏡下手術にて治療されている. 腟式卵巣嚢腫核出術は, 腹壁に術創を造らない低侵襲手術であるにもかかわらず, 婦人科手術としては普及していない. ダグラス窩開放術とダグラス窩窓からの核出術は時に難渋する場合があり, 安全性確実性を欠く. 腟式卵巣嚢腫核出術の手技的問題点を解決するために考案されたLUSVOC手術システムの有用性を検討する. 【方法】LUSVOCとは, ダグラス窩開放術を経腟超音波ガイド下にて行なう, 吊り上げ式腹腔鏡を待機させた腟式卵巣嚢腫核出術を指す. 2003年12月~2006年3月までにLUSVOC施行された15例について, 年齢, 分娩...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 【目的】現在, 卵巣嚢腫の大半は腹腔鏡下手術にて治療されている. 腟式卵巣嚢腫核出術は, 腹壁に術創を造らない低侵襲手術であるにもかかわらず, 婦人科手術としては普及していない. ダグラス窩開放術とダグラス窩窓からの核出術は時に難渋する場合があり, 安全性確実性を欠く. 腟式卵巣嚢腫核出術の手技的問題点を解決するために考案されたLUSVOC手術システムの有用性を検討する. 【方法】LUSVOCとは, ダグラス窩開放術を経腟超音波ガイド下にて行なう, 吊り上げ式腹腔鏡を待機させた腟式卵巣嚢腫核出術を指す. 2003年12月~2006年3月までにLUSVOC施行された15例について, 年齢, 分娩回数, 嚢腫数とサイズ, 経腟的ダグラス窩開放術の成否, 引き続き施行された経腟的卵巣嚢腫核出術の成否, 吊り上げ式腹腔鏡下手術への移行率, 手術時間, 出血量, 重大な手術侵襲の有無, 術後3日目のCRP, 入院期間, 組織型を検討した. 【成績】15例全例(100%)において目的の手術が完遂できた. 14例(93%)で経腟的にダグラス窩が開放され, 13例(86%)で経腟的嚢腫核出術が施行された. 残り2例(14%)が吊り上げ式腹腔鏡下手術へ移行した. 直腸損傷など重篤な手術侵襲はなかった. 術後炎症所見なく, 短期入院が可能であった. 【結論】腟式卵巣嚢腫核出術を, 経腟超音波と腹腔鏡にてサポートするLUSVOC手術システムは, 腹壁に切開痕を残さないという腟式手術の利点と, 手術の安全性と確実性を備えた術式であり, 今後卵巣嚢腫核出術の新たな選択肢となりえる. |
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ISSN: | 1884-9938 |