腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術における経口抗菌薬投与の試み

「はじめに」婦人科領域の腹腔鏡下手術における術後感染を予防するための抗生物質の投与は, その必要性, あるいは適切な使用方法については, 未だ明確にされていない. 腹腔鏡下手術の術後感染予防薬として多くの施設が開腹手術に準じて静脈用抗菌薬を2~3日間投与しているのが一般的である1). 婦人科領域において腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術はminimally invasive surgeryであり, 術後早期より内服が可能であるため, 最小感染予防化学療法の導入が期待される. しかし子宮内膜症性嚢胞は時に腸管と強く癒着していることがあり剥離術の際の腸管損傷に対応する術前処置が要求される場合もある. 一方,...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2005, Vol.21 (2), p.446-448
Hauptverfasser: 千島史尚, 渡邉由紀子, 太田啓明, 山本範子, 高田眞一, 山本樹生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」婦人科領域の腹腔鏡下手術における術後感染を予防するための抗生物質の投与は, その必要性, あるいは適切な使用方法については, 未だ明確にされていない. 腹腔鏡下手術の術後感染予防薬として多くの施設が開腹手術に準じて静脈用抗菌薬を2~3日間投与しているのが一般的である1). 婦人科領域において腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術はminimally invasive surgeryであり, 術後早期より内服が可能であるため, 最小感染予防化学療法の導入が期待される. しかし子宮内膜症性嚢胞は時に腸管と強く癒着していることがあり剥離術の際の腸管損傷に対応する術前処置が要求される場合もある. 一方, 外科領域では, 宮沢らは, 2001年, 大腸手術における経口抗菌薬の術前1回投与法について検討し, surgical site infection(SSI)を減少させる可能性を報告した2). 更に, 泌尿器科領域においても, 経口抗菌薬による術後感染の予防効果が報告されている3). 我々は婦人科領域において, 腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術における最小感染予防化学療法として, 経口抗菌薬投与について検討した.
ISSN:1884-9938