子宮内膜増殖症管理における子宮鏡検査の有用性について

「緒言」子宮内膜増殖症とは子宮内膜腺の過剰増殖であり子宮体癌の前駆病変と考えられている. 子宮内膜異型増殖症(以下AEMH)における癌化率は29%, また異型のみられない複雑型子宮内膜増殖症(以下EMH-C)においても約3%程度の癌化率が報告されている1). これらの外来における診断は盲目的な子宮内膜生検により得られることが多く, 確定診断を下すには子宮内膜全面掻爬を行うことが望ましい. とくにAEMHに関しては内膜癌の共存の有無を的確に診断する目的で子宮鏡による観察を併用することの意義はきわめて高い. 一方, EMH-Cにおいても子宮内膜全面掻爬により最終診断を得ることはその後のフォローアッ...

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Veröffentlicht in:日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2005, Vol.21 (2), p.442-445
Hauptverfasser: 上里忠和, 杉浦聡, 武藤聡子, 川村久恵, 中川圭介, 大岡史子, 五十嵐敏雄, 梁善光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」子宮内膜増殖症とは子宮内膜腺の過剰増殖であり子宮体癌の前駆病変と考えられている. 子宮内膜異型増殖症(以下AEMH)における癌化率は29%, また異型のみられない複雑型子宮内膜増殖症(以下EMH-C)においても約3%程度の癌化率が報告されている1). これらの外来における診断は盲目的な子宮内膜生検により得られることが多く, 確定診断を下すには子宮内膜全面掻爬を行うことが望ましい. とくにAEMHに関しては内膜癌の共存の有無を的確に診断する目的で子宮鏡による観察を併用することの意義はきわめて高い. 一方, EMH-Cにおいても子宮内膜全面掻爬により最終診断を得ることはその後のフォローアップを継続していく上で必要と考えられる. その観点から, 当科ではAEMHのみならずEMH-Cと外来診断された症例についても積極的に子宮内膜全面掻爬を行う方針とし同時に子宮鏡を施行した. 今回その子宮鏡所見および病理所見をまとめ, AEMHおよびEMH-Cに対する子宮内膜掻爬時での子宮鏡併用の有用性およびその特徴について検討した.
ISSN:1884-9938