偶発的に発見された子宮内膜症に合併したMesothelial hyperplasiaの一例
「緒言」胸腔, 腹腔などの体腔を被覆する漿膜細胞は中胚葉に由来する上皮様細胞で, 中皮mesothelと呼ばれている. Mesothelial hyperplasiaは, 炎症, 慢性滲出, 子宮内膜症, 開腹手術の既往に関連し, しばしば悪性疾患(腺癌など)との鑑別が問題となる. 今回我々は術前に左卵巣チョコレート嚢胞と診断したが, 術中の所見よりChlamydia trachomatis(C. trachomatis)感染による卵管留水(血)腫と診断を変更し卵管切除を行った. その結果, 実際には付属器が切除され, 偶発的に発見された子宮内膜症に合併したmesothelial hyperp...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2005-12, Vol.21 (2), p.400-404 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」胸腔, 腹腔などの体腔を被覆する漿膜細胞は中胚葉に由来する上皮様細胞で, 中皮mesothelと呼ばれている. Mesothelial hyperplasiaは, 炎症, 慢性滲出, 子宮内膜症, 開腹手術の既往に関連し, しばしば悪性疾患(腺癌など)との鑑別が問題となる. 今回我々は術前に左卵巣チョコレート嚢胞と診断したが, 術中の所見よりChlamydia trachomatis(C. trachomatis)感染による卵管留水(血)腫と診断を変更し卵管切除を行った. その結果, 実際には付属器が切除され, 偶発的に発見された子宮内膜症に合併したmesothelial hyperplasiaの一例を経験したので報告する. 症例 症例:29歳1回経妊娠, 1回経産 主訴:月経困難症, 続発不妊 家族歴:特記事項なし 既往歴:平成16年8月急性腹症(卵巣出血の疑いで保存的に治療)で入院. 月経, 分娩歴:月経周期は28日型整 平成14年に妊娠33週2日常位胎盤早期剥離の診断で帝王切開 現病歴:平成17年1月に月経困難, 続発性不妊を主訴として当科外来を受診した. 内診で子宮は前傾前屈で大きさはほぼ正常大であった. |
---|---|
ISSN: | 1884-9938 |