婦人科腹腔鏡下手術中に発見された魚骨によるメッケル憩室穿孔
「緒言」卵巣腫瘍のある患者が腹痛を呈している場合, われわれ産婦人科医は破裂(出血)や茎捻転, 感染の合併などの可能性をまず考えやすい. しかし腹痛の原因は様々であり, 当然だが必ずしも婦人科疾患とは限らない. 今回卵巣腫瘍の茎捻転の可能性を考慮し手術を開始したが, 術中に魚骨によるトラブルであることが判明した稀な症例を経験したので報告する. 症例55歳, 0妊0産. 既往歴:20歳虫垂切除術, 42歳子宮内膜症で子宮全摘+卵巣部分切除術, 緑内障, 49歳AVブロック. 現病歴:平成16年12月3日朝より左下腹部痛があり近医内科を受診した. 投薬をうけていったん帰宅したが, 午後から右下腹部...
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Veröffentlicht in: | 日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 2005, Vol.21 (2), p.366-368 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」卵巣腫瘍のある患者が腹痛を呈している場合, われわれ産婦人科医は破裂(出血)や茎捻転, 感染の合併などの可能性をまず考えやすい. しかし腹痛の原因は様々であり, 当然だが必ずしも婦人科疾患とは限らない. 今回卵巣腫瘍の茎捻転の可能性を考慮し手術を開始したが, 術中に魚骨によるトラブルであることが判明した稀な症例を経験したので報告する. 症例55歳, 0妊0産. 既往歴:20歳虫垂切除術, 42歳子宮内膜症で子宮全摘+卵巣部分切除術, 緑内障, 49歳AVブロック. 現病歴:平成16年12月3日朝より左下腹部痛があり近医内科を受診した. 投薬をうけていったん帰宅したが, 午後から右下腹部痛が強くなり当院内科へ紹介された. 内科の超音波検査にて腹腔内に約10cm大の嚢胞性腫瘤を指摘され当科へ紹介となった. 手術までの経過:超音波検査では単房性のlow echoicな嚢胞であった(写真1). 当科での診察時には痛みも軽快していたため, 茎捻転の可能性は低いと考えMRIを予約し帰宅した. 翌12月4日朝, 夜間の右下腹部痛の増悪を訴えて当院へ再度来院した. 腹部全体の痛みが増強しており, また緊急血液検査にてWBC13000, CRP15.4と炎症反応の増強もあり, 茎捻転の可能性を考え当科にて緊急腹腔鏡を施行した. |
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ISSN: | 1884-9938 |