不妊症患者に対するAIH‐腹腔鏡検査による卵管内精子輸送能の検討‐9年間, 2322件の分析
AIH-腹腔鏡検査時に行う腹水中精子回収試験(Peritoneal Sperm Recovery Test:PSRT)は, 卵管内精子輸送能つまり卵管内精子到達を知るうえで重要である. さらに, AIH時に経腟超音波で子宮内に注入した精子浮遊液の卵管への輸送を観察すると, 急速輸送から輸送なし(子宮腔内停留)まで, 精子輸送の診断が可能である. この超音波の精子輸送とPSRT両者の組み合わせから, 精子側の能動的な卵管到達の限界が推測でき, 総運動精子数530万, Path verocity 25.4μm/Secであった(第41回本学会総会). また同時に施行した経卵管采卵管鏡検査, 子宮鏡検...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | AIH-腹腔鏡検査時に行う腹水中精子回収試験(Peritoneal Sperm Recovery Test:PSRT)は, 卵管内精子輸送能つまり卵管内精子到達を知るうえで重要である. さらに, AIH時に経腟超音波で子宮内に注入した精子浮遊液の卵管への輸送を観察すると, 急速輸送から輸送なし(子宮腔内停留)まで, 精子輸送の診断が可能である. この超音波の精子輸送とPSRT両者の組み合わせから, 精子側の能動的な卵管到達の限界が推測でき, 総運動精子数530万, Path verocity 25.4μm/Secであった(第41回本学会総会). また同時に施行した経卵管采卵管鏡検査, 子宮鏡検査などから, 卵管内精子輸送障害の原因解明を進めてきた. 今回9年間, 2322件について分析した. H8.9~H17.3に両側卵管閉塞例を除き, PSRT, 卵管鏡, 子宮鏡検査を行えた不妊症2322例を対象に, 腹腔内所見, 子宮内所見, 卵管疎通性(特に色素通水による卵管狭窄)とともに, AIH時の精液所見とPSRT結果を中心に分析した. 対象2322例でPSRT陽性1840例(79.2%), PSRT陰性(卵管内輸送障害)482例(20.8%)であった. 最も影響のある精子側条件を分析すると, AIH時に精液所見正常1627例ではPSRT陰性280例(17.2%)に対して, 乏精子症309例ではPSRT陰性106例(34.3%)で, 精子無力症387例ではPSRT陰性96例(24.8%)で, 乏精子症, 精子無力症ともに有意にPSRT陰性率が高く, 卵管内精子輸送障害の大きな原因であった. 腹腔内所見や卵管内所見, 子宮内所見ではPSRT陰性に特別な傾向は見られなかったが, 子宮筋腫や, 卵管狭窄はPSRT成績に関与した. |
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ISSN: | 1884-9938 |