腹腔鏡下子宮筋腫核出術の術中, 術後合併症に関する検討

【目的】腹腔鏡下子宮筋腫核出術の術中, 術後合併症頻度の検討. 【方法】我々は, 通常の不妊症治療を施行しても妊娠に至らない症例や子宮筋腫が原因と思われる過多月経, 圧迫症状などが認められる症例に対して適応を検討した上で腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行してきた. 済生会神奈川県病院および慶應義塾大学医学部産婦人科で行われた, 腹腔鏡下子宮筋腫核出術の155症例における, 術中, 術後の合併症に関して検討した. 【成績】術中合併症としては, 出血部位確認のための開腹(1例), 摘出子宮筋腫の紛失のための小開腹(1例), 多発性子宮筋腫のため, LM→LAMに変更した症例(3例), 自己血以外の輸血を...

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Hauptverfasser: 西尾浩, 浅田弘法, 張簡珮恰, 内田浩, 橋場剛士, 岩田壮吉, 久慈直昭, 丸山哲夫, 末岡浩, 福地剛, 青木大輔, 吉村泰典, 田中雄大, 岸郁子, 木挽貢慈
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】腹腔鏡下子宮筋腫核出術の術中, 術後合併症頻度の検討. 【方法】我々は, 通常の不妊症治療を施行しても妊娠に至らない症例や子宮筋腫が原因と思われる過多月経, 圧迫症状などが認められる症例に対して適応を検討した上で腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行してきた. 済生会神奈川県病院および慶應義塾大学医学部産婦人科で行われた, 腹腔鏡下子宮筋腫核出術の155症例における, 術中, 術後の合併症に関して検討した. 【成績】術中合併症としては, 出血部位確認のための開腹(1例), 摘出子宮筋腫の紛失のための小開腹(1例), 多発性子宮筋腫のため, LM→LAMに変更した症例(3例), 自己血以外の輸血を要した症例(1例)であり, 全体で3.2%であった. 術後合併症としては, 術後超音波検査で, 血腫様のhypoechoic areaを認めた症例(5例), 皮下気腫(1例)であるが, 臨床症状は無く, その後経過とともに消失している. なお, 挙児希望で腹腔鏡下子宮筋腫核出術をうけてその後妊娠した症例は15症例あるが, いずれも, 妊娠経過期間で子宮破裂などの合併症は起こっていない. 【結論】腹腔鏡下子宮筋腫核出術における注意点は, (1)LM, LAM, および開腹手術という術式の選択を適切に行う. すなわち, MRI上で多数(10個以上)の筋腫核を認められる症例にはLAMあるいは開腹が適切である. (2)視野が狭くなってきたとき, 気腹装置や回路のチェックをすることと同時に, 麻酔深度と筋弛緩が十分得られているかどうかを検討する. (3)子宮筋層の縫合は2層~4層に, 死腔がないように縫合する. 以上の3点である. 開腹手術以上に腹腔鏡下手術は, 麻酔科医, 看護婦, 術者, 助手の円滑な協力がより必要であると考えられた.
ISSN:1884-9938