良性卵巣嚢腫の診断にて腹腔鏡下手術を行い悪性腫瘍と判明した症例の検討

腹腔鏡下手術の手技および使用機械の開発, 改良はめざましい進歩をとげており, その適応は婦人科良性疾患のほぼすべてが対象となっている. 良性卵巣嚢腫に対する腹腔鏡下手術は手術侵襲が少なく, 入院期間の短縮, 早期社会復帰などが可能であり, 開腹術より多くの利点があるといわれている. しかし卵巣腫瘍の良性, 悪性を術前に完全に鑑別することは不可能であり, また腹腔鏡下手術の場合, ほとんどの症例において術中被膜破綻が陽性となるため, 悪性卵巣腫瘍の可能性については十分に注意しなければならない. 当科においては術前に超音波検査, 腫瘍マーカー, MRI検査などを用いて卵巣腫瘍を評価し, 悪性腫瘍が...

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Hauptverfasser: 黒瀬圭輔, 山口昌子, 阿部崇, 西弥生, 石川温子, 石川源, 渡辺美千明, 明楽重夫, 竹下俊行
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腹腔鏡下手術の手技および使用機械の開発, 改良はめざましい進歩をとげており, その適応は婦人科良性疾患のほぼすべてが対象となっている. 良性卵巣嚢腫に対する腹腔鏡下手術は手術侵襲が少なく, 入院期間の短縮, 早期社会復帰などが可能であり, 開腹術より多くの利点があるといわれている. しかし卵巣腫瘍の良性, 悪性を術前に完全に鑑別することは不可能であり, また腹腔鏡下手術の場合, ほとんどの症例において術中被膜破綻が陽性となるため, 悪性卵巣腫瘍の可能性については十分に注意しなければならない. 当科においては術前に超音波検査, 腫瘍マーカー, MRI検査などを用いて卵巣腫瘍を評価し, 悪性腫瘍が除外できた場合は, ほとんどすべての症例に対して腹腔鏡下手術を行なっている. 今回, 術前評価にて良性卵巣嚢腫と診断して腹腔鏡下手術を行ったが, 術中あるいは術後病理診断にて悪性卵巣腫瘍と診断された症例を経験した. 境界悪性腫瘍, 胚細胞腫瘍, 明細胞癌などがみられたが, これらの症例に特徴的な所見を検討するとともに, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1884-9938